こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
エアプランツを買ったけどすぐに枯らしてしまった。育て方が分からない。
そんな方も多いのではないでしょうか?
安心してください。枯れる原因さえ知っていれば、エアープランツは決して難しい植物ではありません。
この記事では、数十種のチランジアを栽培している私の経験と、先輩方からご教授頂いた知識からチランジア(ティランジア)の育て方| 枯れる原因と対処法について解説ていきたいと思います。
チランジアが枯れてしまう原因は主にこの4つです。
- 水分不足
- 蒸れ/腐れ
- 夏の直射による葉焼け
- 冬の冷害
それでは、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
● 水不足
エアープランツは乾燥に強いと思われがちですが、実は水が大好きなんです。適切に水やりを行わなければ、エアプランツは葉先から徐々に干からびてしまいます。
:水分不足の対処法:
・水やりは株全体にしっかりと
エアープランツは葉の白い突起(トリコーム)で水分を吸収しています。
水やりの際は葉の裏表、株の全体がしっかりと濡れるよう霧吹き(ミスティング)を行ってください。軽くシュシュっとするだけでは不十分です。
室内管理のエアープランツは週に2〜3回程度、冬でも室温が10°以上を保てるなら週に1〜2回程度の頻度でミスティングを行いましょう。
水やりの時間は夏場は気温の下がる夕方から夜にかけて、冬は気温の高い昼間に行ってください。
冬以外はベランダなど外での管理がおすすめです。風通しが良い環境なら毎日水やりを行っても問題ありません。
ただ、株数が増えると水やりは案外大変。少しでも楽をするため私はダブルアクション式の霧吹きを使っています。
水の補給が面倒なので、より容量の大きいPro10がおすすめ。
▼室内管理の水やり回数の目安作りました
▼より詳しい解説こちら
▼水やりのツールにお悩みの方はこちらをチェック
床がびちゃびちゃになるのは嫌
しっかり水やりを行うと床が濡れて掃除が大変なので、私は給水用のラグを敷いています。
↑数十種類のサイズからぴったりサイズを選べるのでオススメです。
・水やりを忘れたらソーキング
旅行などで長期間水やりができない時や、水やりを忘れてしまうこともあるかと思います。
水分不足になると葉先が茶色く変色したり、葉が断面から見てUの字にカールしたりしてサインをくれます。
そんな時は容器に水を張り、3〜6時間株を付けっぱなしにすると回復させる事ができます。(植物も呼吸をしているので、これ以上長い時間は危険です。)
▼ソーキングについて詳しくはこちら
<水分不足で枯れた葉先>
外側の古い葉は水分が足りていても自然に枯れていきます。中央付近から出る比較的新しい葉の先端が枯れている場合は注意が必要です。
月1でソーキングする方も多いようですが私の場合、うっかり水やりを忘れてしまった時の緊急処置という感覚です。
▼毎日水やりされる方はこちらもチェック
● 蒸れ/腐れ
エアプランツにとってムレは一番の大敵。実は枯れる原因で1 番多いのがこれ。
屋内管理の場合、濡れたまま乾かさず放置するとすぐにムレて腐ってしまいます。普通の植物でいう「根腐れ」のような状態です。
私も初めてのエアープランツはこれが原因で枯れてしまいました。
:蒸れ/腐れの対処法:
・室内では空気を常に循環
エアープランツにとって風は何よりも重要。空気の流れが止まってしまうと植物の代謝(蒸散作用)が弱まり、株から水分が抜けず弱ってしまいます。
常に窓など開け風通しを確保してください。窓が開けられない場合は、サーキュレーターや扇風機を使い、絶えず空気の流れを作りましょう。
※エアコンの風は乾燥しすぎているので直接当て続けないように気をつけてください。
このような通気性の高いハンギングで吊るせば蒸れ対策になりますよ。
▼詳しくはこちら
・水やり後は水を切る
株に水が溜まった状態が続くと、室内ならば腐ってしまいます。水やり後、葉に水が溜まっている場合は株をひっくり返して水切りを行いましょう。
特にストレプトフィラなどの、「ツボ型」と呼ばれる種は本体に水が溜まりやすい構造をしているので注意が必要です。
また枯れてしまった古い葉も水気を溜め込む原因となるので、定期的に切り取ってあげてください。
逆に、風通しが良い屋外なら水を切る必要はありません。キセログラフィカなどは水が特に大好きなので外ならむしろ溜めっぱなしにしてあげましょう。
※ガルドネリなどの水気が苦手な品種もいるので注意
<葉の間に水が溜まった状態>
室内でこれを放置すると危険です。
・濡れたまま高温にさらさない
株が濡れた状態で、高温にさらされるとエアープランツは蒸れて枯れてしまいます。
先述したように夏場の水やりは気温の下がる【夕方から夜にかけて】行うようにしましょう。
・密閉容器に入れない
口の狭い容器や、蓋付きのガラス容器などは、風が通らずすぐに蒸れて枯れてしまいますので、絶対に使用しないでください。
肥料について
ティランジアは肥料が無くても元気に育ちますが、与えた方が生長が早く花や子株のボリュームも多くなります。
肥料は正しい希釈倍率で使わないと、肥料焼けを起こしてしまいます。肥料ごとに希釈倍率がありますが、与え初めは規定値よりもさらに高い倍率で施肥してあげましょう。
液肥を与えた次の水やりでは、葉の表面に残っている肥料をしっかりと洗い流しリセットしてあげてください。
肥料を与える場合は、生育期に週1回程度。真夏や冬場などは生長が緩慢になるので、肥料を与えるのは控えましょう。
● 夏の直射による葉焼け
本来、木や岩肌に着生しているエアプランツは、明るい日陰を好み、極端な高温は苦手です。
夏の直射日光が当たると、葉焼けを起こし茶色く変色してしまいます。
:夏の直射による葉焼けの対処法:
・30〜50%遮光する
もしもエアプランツに日が直接当たるようなら、「遮光ネット」で30〜50%程度の遮光を行ってください。
室内ならば、レースカーテン越しの日光を当てましょう。特に夏の西日はきついので注意が必要です。
<葉焼けしてしまった状態>
一度茶色く葉焼けした部分は2度と、元に戻ることはありません。
<ストレスで赤くなった状態>
強い日差しを受けると、ストレスで赤く変色したり、トリコームが失われてしまう事もあります。
※開花前に赤くなる種もいます
遮光ネットはホームセンターなどでも手に入りますが、真っ黒の見た目が苦手という方にはこちらがお勧め。目が荒いので真夏は目をずらして2重にして使用しています。
ただし、「直射日光=NG」という訳ではありません。
葉焼けの原因は葉の表面温度の過度な上昇によるものなので、最高気温が20°を下回る11月〜4月くらいまでは直射日光を当ててやるとむしろ調子が良いです。
葉焼けについてより詳しくはこちら▼
▼夏越しについてより詳しくはこちら
● 冬の冷害
北中米で育つエアプランツは極端な寒さにも弱い植物です。葉に露が降りると酷いダメージを受けてしまいます。
:冬の冷害の対処法:
・屋内に取り込む
外で管理している場合、最低気温10°を目安に家の中に取り込みましょう。もちろん室温は10°以上を保ってください。
冬場は暖かい昼間は外に出し、気温が下がる夜間は室内というのが理想的です。
また、日照を確保できないようであれば、植物育成用のライトを使用するのもおすすめです。
最後にこの記事の内容をまとめると…
- 水やりは春から秋は週に2〜3回(屋外なら毎日でも可)、冬は週1〜2回
- 水やりの際は株全体をしっかりと濡らす
- 水をやり忘れたらソーキングを行う
- 室内管理の場合、水やり後は葉に溜まった水を切る
- 夏は株が濡れた状態で、直射に晒さない
- 風通しの悪い屋内ではサーキュレーターで空気を常に循環させる
- 密閉容器には入れない
- 夏は30〜50%の遮光を行う(夏の直射日光はNG)
- 最低気温が10°を下回る冬場は、室内に取り込む
以上に気をつければ、エアプランツを枯らしてしまう事はなくなるでしょう。
水やり回数や遮光時期はあくまで目安なので、株の特性や実際の生育環境に合わせたベストな方法を見つけてあげてくださいね。
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ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
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初めまして!
いつもブログ読ませて頂いてます。
ひとつ質問させてください。
ザコンポストをパラパラすると、数日後に葉先が黒くなってしまうのですが、わんちゃんさんはどう対策されてますか?
はじめまして!
水で溶け出して株下なども茶色いシミができてしまいますが、しょうがないものとして諦めております…
一時はしっかり目に洗ったりしていたのですが…
ご回答ありがとうございます!
うーん、やっぱりそうなんですね。
いい意味で諦めます(笑
ありがとうございました!