こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事ではもこもこ系の色白人気チランジア【テクトラム】について解説します。
種名:ティランジア・テクトラム(テクトルム)
英名:Tillandsia tectorum
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属名:ヴィリダンサ亜属
チランジア・テクトラムの特徴
ティランジア・テクトラムは毛足の長いトリコームが魅力のエアプアンツ。光を受けて白く輝く美しい姿から非常に人気が高い品種です。
自生地はペルー・エクアドルの山岳地帯で、パレアセアなどと並び乾燥に非常に強いティランジアです。
テクトラムは銀葉種
ティランジアは乾燥地帯適に応するために、強い日差しから身を守り、効率的に水分を吸収する「トリコーム」と呼ばれる白い毛のような鱗片を持ちます。このトリコームを多く持つ「銀葉種」と、湿度の高い森林に生息し、トリコームをあまり持たない「緑葉種」に分けられます。
テクトラムは極度の乾燥環境を生き抜くために、非常に発達した長いトリコームを持つ【銀葉種】のティランジアです。
有茎テクトラム カウレッセントフォーム
テクトラムには有茎種の栽培品種も存在します。基本種に比べると葉の密度は少なく葉は長めです。
じっくり育てれば1m以上になる事もあります。
テクトラムの育て方
置き場所
室内で管理する場合は、なるべく明るく、風通しの良い窓辺に置きましょう。
※写真はティランジア・ハリシーです
秋から春にかけては直射日光でも問題ありませんが、最高気温が30度を超える季節は葉焼けするので遮光が必要です。
日射には強い品種なので遮光は30%程度で問題ありません。
ただ特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
▼写真で使用している遮光ネットはこちら
冬越し
寒さには強くはないので、冬は室内に取り込みましょう。
一般的な冬越し・室内管理の方法こちら
ハゲさせない水やり
テクトラムの水やり(濡れっぱなし)には注意が必要です。水をやりすぎたり、暗い環境・風通しが悪い環境で濡れたままになるとトリコームがハゲて鑑賞価値が下がってしまいます。
そのため水やりの頻度も他の品種よりもやや控えめにしましょう。4〜10月の生育期は週1〜2回程度、真冬の休眠期は週1回以上たっぷりと滴るくらい水やりを行い、なるべくすぐに乾かしてください。
ただ、すぐに乾く+LEDライトを使用した明るい環境なら週4〜5回程度水やりを行っても美しい状態を保つ事ができます。
また、濡れたまま長時間放っておくと、トリコームがハゲるどころかすぐに蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。
長時間水に浸す【ソーキング】は行わない方がいい品種です。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、テクトラムは肥料を与えることで想像以上に大きく育てる事もできます。(コンパクトでなかなか大きくならない個体もある)
出来るだけ大きく育てたい、花付きをよくしたいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。
※水やり回数はこの表より少なめにしてください。
▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
テクトラムが枯れる原因
テクトラムをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
テクトラムは乾燥にはかなり強い品種ですが、『空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって葉先から茶色く枯れてきたら水切れを疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しの悪さと日照不足が原因の可能性が高いです。
先述したようにティランジアは、風通しが非常に大切。特にテクトラムは湿った環境が苦手なのでしっかり水やりをした後はスピーディに乾かすことが大切です。明るい環境で管理しつつ、水やり後2時間程度で乾くように風通しも意識しましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
テクトラムの飾り方
流木/バージンコルク付け
流木などに着生させると株の調子が良くなるのでおすすめです。
▼やり方はこちら
容器や皿に置く
テクトラムは容器に置くだけでも十分おしゃれですね。
スタンドに置く
久留米の『花伝』さんで買ったアイアンスタンドに置いてみました。かなりおしゃれです。
テクトラムの増やし方
テクトラムは“子株”から増やす
チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
テクトラムは開花期に入る前から子株を付ける事が多い品種です。この子株は、親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。
※写真はティランジア・アエラントスです
また、親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらい非常に早いスピードで成長します。
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、外さずにそのままクランプ(群生)にする楽しみ方もあります。
種から増やす
受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
最後に
テクトラムは育てるにのに少しコツが要りる品種ですが、色白なティランジアがお好きな方はぜひ育てていただきたい美種です。
それではこの辺で。
▼エアプランツのいろんな飾り方まとめました
▼基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。