こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
ザラリとしたワイルドな質感の葉と真紅の花が魅力の有茎種、ティランジア(チランジア)エディシアエ(エディサエ)の特徴や育て方・増やし方などについて詳しく解説します。
※本ページの開花写真は全て インスタアカウント @big_bell.plants_aqua 様よりご提供いただきました
種名:ティランジア・エディシアエ
英名:Tillandsia edithiae
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属名:ティランジア亜属?(旧アラルディア亜属)
ティランジア・エディシアエとは
エディシアエはボリビア原産のティランジアで、標高750〜2,500mの岩場に着生しているティランジアです。※ティランジアは総称してエアプランツ(エアープランツ)と呼ばれることもあります。
名前の由来は、はじめて標本を採集した A. Blass氏の妻 Edith Blass から。
エディシアエの変種としてはエディシアエ・アラウカリフォリア(Tillandsia edithiae var. araucariifolia)が知られてますが、こちらはほとんど流通しない希少種です。
成長は遅くはないので、変化を楽しめる品種です。
強光で育てれば間延びする事なく、ぎゅっと詰まった草姿が楽しめます。明るく風通しの良い環境なので、水やりは1年を通して毎日行いました。
▼こちらは約4年間の成長記録です
親株が痩せていても、環境次第では子株を作り込むことができます。
チランジア・エディシアエの特徴
ざらりとしたトリコームの有茎種
エディシアエの葉は短めで肉厚・硬質。ざらりとしたトリコームを纏ったワイルドな草姿です。
有茎種のティランジアで、長く伸びるタイプと、短めに詰まって生育するタイプが確認されています。また、葉はシルバーグレーとグリーンのタイプが存在します。
ティランジアは乾燥地帯適に応するために、強い日差しから身を守り、効率的に水分を吸収する「トリコーム」と呼ばれる白い毛のような鱗片を持ちます。このトリコームを多く持つ「銀葉種」と、湿度の高い森林に生息し、トリコームをあまり持たない「緑葉種」に分けられます。
エディシアエは、シルバーグレーのトリコームをまとう【銀葉種】のティランジアになります。
徒長させないように強光で育てると、密に詰まった姿に生育できます。室内ならLEDを使用するのがおすすめです。
エディシアエの真紅の花
※本ページの開花写真は全て インスタアカウント @big_bell.plants_aqua 様よりご提供いただきました
エディシアエは、チランジアとしては珍しい朱色の花を咲かせる美花種として知られています。
まるで宝石かのような綺麗なお花ですよね。
花茎を伸ばさず先端にそのまま花をつけるコンパクトな草姿もエディシアエの人気の理由の一つです。
エディシアエの育て方
明るく風通しの良い環境で
明るい光と風通しの良い環境を好むため、室内にLEDなどの生育環境が整っていなければ、なるべく屋外で日光に当ててやると調子がいいです。
※写真はティランジア・ハリシーです
ただし、最高気温が30度を超える夏場の直射は葉焼けを起こすので遮光が必要です。
▼使用している遮光ネットはこちら
室内で管理する場合は、光がしっかり入る窓辺で管理するか、LEDライトを導入しましょう。
寒さには強くない
寒さにはそこまで強くないので、冬は早めに取り込みましょう。
▼冬越し・室内管理の方法こちら
たっぷり水やり・しっかり乾かす
4〜10月の生育期は週2回〜程度、真冬の休眠期は週1回以上たっぷりと滴るくらい水やりを行いましょう。生育期は風通しが確保できる明るい環境なら毎日水やりしても問題ありません。
ただし、濡れたまま放っておくと蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたい、子株を増やしたい、豪華な開花を見たいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。※長雨は厳禁です
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。
▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
エディシアエが枯れる原因
エディシアエをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の3つです。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって異様に軽くなり、葉先から茶色く枯れたりしてきたら水切れを疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しの悪さが原因かもしれません。
先述したようにティランジアはに、風通しが非常に大切。根本から黒く枯れてしまったら基部の蒸れ・腐れが原因です。水やり後3時間程度で乾くよう管理の見直しを行いましょう。
光量不足による蒸れ
また先述したように明るさが足りない場合も、株の活性が落ちて体内の水分を十分に蒸散させる事ができず蒸れてしまいます。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
エディシアエの飾り方
流木/バージンコルク付け
流木などに着生させると株の調子が良くなるのでおすすめです。
▼やり方はこちら
シルバーリング仕立て
おしゃれさを求めるなら、メタルリングに仕立てるのもありです。
▼やり方はこちら
エディシアエの増やし方
エディシアエは“子株”から増やす
※写真はティランジア・アエラントス・ニグラです
ティランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。エディシアエは花を咲かせなくとも茎から子株を出します。
子株は親株の半分くらいになったら株分けOKです(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。
また、親株につけたままにしておけば親から栄養をもらえるため非常に早いスピードで成長し、比較的早く次の開花が見られます。
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、外さずにそのままクランプ(群生)にする楽しみ方もあります。
種から増やす
受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
エディシアエの相場・価格
価格は4,000円〜
※流通量や株の状態・サイズなどで価格は大きく変動します。
小さめサイズなら4千円程度、大きな生育株やクランプになると1万円以上することもあります。
小さめサイズですが、キセログラフィカと同じくらいの値段ですね。
最後に
エディシアエは比較的手に入れやすい美花種なので、みなさまもぜひ挑戦してみてくださいね。
それではこの辺で。
▼エアプランツのいろんな飾り方まとめました
▼チランジアの基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。