
↪︎ 最終更新 2025年 10月 12日
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では大人気の赤系交配種ティランジア・ティムズアウトバーストの特徴や、育て方や飾り方についてをご紹介します。

種名:ティランジア・ティムズアウトバースト
英名:Tillandsia ‘Timm’s Outburst’
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属:ティランジア亜属
交配:カピタータ・ドミンゲンシス x イオナンタ・フエゴ
BCR記載:あり(10948)
ティムズアウトバーストは、チランジア・カピタータ・ドミンゲンシスとイオナンタ・フエゴの交配種で、両親とも花期に真っ赤に染まる性質があります。
もちろん、本種にもそれは受け継がれており、花期以外にもにも寒暖差や強光で染まりやすい特徴があります。
作出はTimm B氏で、品種名の「ティムズ」は彼の名で、「アウトバースト」は“爆発”を意味しており真っ赤な草姿を称えているものと思われます。2012年登録の比較的新しい交配種です。
花期の紅葉

開花前から赤みを増してきます。
そして開花姿がこちら。

濡らすと植物とは思えないほど鮮やかな赤色に。
その名の通り爆発したかのような雰囲気です。

開花後は徐々色が戻ってきます。
🌞 育て方
✅ 光
- 明るい半日陰〜直射日光が数時間当たる場所を好む
- 強すぎる真夏の直射日光は葉焼け注意(遮光ネットなどを活用)
✅ 水やり
- 春〜秋:週2〜3回ミスティング、水切れしているようならソーキング(2〜3時間)
- 冬:気温が低い日は乾燥気味に(週1回程度軽く霧吹き)
- 水やり後は特に風通しの良い場所で管理
✅ 温度
- 生育適温は15〜30℃程度
- 冬は10℃以下にならないよう注意
✅ 風通し
- 蒸れに弱いので、通気性の良い場所に置くのが重要
✅ 肥料
- 生育期(春〜秋)に液体肥料をごく薄めて月1〜2回程度与えると調子が上がる
比較的水を好むので環境が整っていれば水やりは多めの方が調子がいいです。
上手に育てればこんなに大きくなることも。

ハワイのドミンゴさんの農園で見つけた同種の写真です。同じ品種とは思えませんね。
🌸 開花のコツ
- しっかりした光量:明るい場所で管理することが最重要
- 昼夜の温度差:春や秋に昼夜で5〜10℃の差を作ると花芽を刺激しやすい
- 適度な肥料:春〜秋にごく薄い液体肥料を月1〜2回与える
- 株の成熟:株が十分に成長・充実してからでないと咲かないので、焦らず管理

🌱 増やし方(株分け)
- 株の成長過程で株元から「子株(オフセット)」が出てくる
- 子株が親株の1/3〜半分くらいの大きさになったら、根本から切り離す
親株は1回咲くと子株を出しながら少しずつ枯れていきます。

置き場所

※写真はセレリアナです
室内で管理する場合は、カーテン越しの柔らかい光が入る窓辺にしましょう。
最高気温が30度を超える季節の直射日光は葉焼けするので遮光が必要です。

※写真はエーレルシアナです
特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
夏場は遮光ネットを使用しましょう。
▼使用している遮光ネットはこちら
春から秋にかけては屋外管理がおすすめですが、最低気温が10度を下回る冬場は屋外はNGです。お部屋に取り込むようにしましょう。
水やり

※写真はネグレクタです
ティムズアウトバーストは生育期は、明るくて風通しの良い環境なら水が溜まるくらいしっかりと水やりを行うと調子がいいです。
水やり回数は4〜10月の生育期は週3回〜程度、真冬の休眠期は週1〜2回程度で、たっぷりと滴るくらい行いましょう。風通しが確保できる明るい環境なら毎日あげても問題ありません。
暖かい季節は気孔の開く夕方以降に水やりするのが効果的と言われています。ただし冬場は株を冷やす恐れがあるため、昼間に水やりしましょう。
また、風通しの悪い所で濡れたまま放っておくとすぐに蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。

ちなみに水やりを抑えると株の水分量が減り、耐寒性を上げることができます。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたい・豪華な花が見たいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
冬越し
10度を下回る冬季は屋内で管理しましょう。乾燥しないよう加湿器を使用するのがおすすめです。
一般的な冬越し・室内管理の方法こちら
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。

▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
▼その他のおすすめ書籍はこちらの記事で紹介
ティムズアウトバーストが枯れる原因
ティムズアウトバーストをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって異様に軽くなったり、葉先から枯れたりしたら疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しが悪いのが原因の可能性が高いです。先述したようにティランジアはに、風通しが非常に大切。中央の葉がすっぽ抜けて枯れてしまったら基部の腐れが原因です。水やり後3時間程度で乾くよう管理の見直しを行いましょう。

※写真はカクティコラです
蒸れる原因となる枯れた下葉は定期的に除去しましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
ティムズアウトバーストの飾り方
ワイヤーハンギング

ワイヤーでハンギングを作ればお手軽にディスプレイできます。
流木着生

着生させれば、より調子良く育てられます。また、見た目も良いです。
▼詳しいやり方はこちら
鉢植え

▼詳しいやり方はこちら
ティムズアウトバーストの増やし方
“子株”から増やす

チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
根本から出た子株は手でもぎってしまいましょう。この時根本がなかなか取れない場合はカッターなどで根本を切り離す必要がありる場合があります。
子株は親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらえるのでとても早く成長します。

※画像はカーリースリムです
▼株分けの詳しいやり方はこちら
種から増やす

開花したら、受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
最後に
ティムズアウトバーストは比較的手に入れやすい品種なので、見かけた方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
それではこの辺で。

▼いろんな飾り方まとめました
▼エアプランツの基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。