↪︎ 最終更新 2026年 4月 5日
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
チランジア・ベリッキアナ(Tillandsia velickiana)は、エアプランツの中でも「育てやすさ」と「開花時の美しさ」で人気の高い種です。記事用にそのまま使えるよう、原産地・特徴・育て方・名前の由来まで体系的にまとめます。

種名:ティランジア・ベリッキアナ(ベリッキアーナ/ヴェリッキアーナ)
英名:Tillandsia velickiana (Syn.; matudae)
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属:ティランジア亜属
ベリッキアナは主にメキシコ南部〜グアテマラに分布しているティランジアです。
学術的には、マツダエのシノニムになります。
ダイソーやホームセンターなどでの目撃情報もあります。
自生地の特徴
- 標高:約1,000〜2,000mの山岳地帯
- 森林の樹木や岩場に着生
- 乾季と雨季がはっきりした環境
- 日差しは強いが、風通しが非常に良い
高地性チランジアのため「涼しさ」と「通風」を好む傾向があります。
プセウドベイレイの特徴
白銀色の葉

葉全体を覆うトリコームが多く、銀白色に見えます。
葉は柔らかく、ビロードのような触感です。
- 乾燥に強い
- 光を反射して葉焼けを防ぐ
- 空気中の水分を効率よく吸収

② ロゼット型の草姿
葉が放射状に広がる美しいロゼット形。
成長すると葉は長く、垂れてきます。
③ 印象的な開花
開花期になると中心が赤〜ピンクに色づきます。
- 紫色〜青紫の花を咲かせる
- 花序が比較的長く観賞価値が高い
開花後は子株を複数出し、クランプ(群生株)へ成長します。
※開花次第写真を追加します
ベリッキアナの育て方
置き場所

室内で管理する場合は、カーテン越しの柔らかい光が入る窓辺にしましょう。
最高気温が30度を超える季節の直射日光は葉焼けするので遮光が必要です。

特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
高地性のため、真夏の蒸し暑さはやや苦手。夏場は遮光ネットを使用しましょう。
▼使用している遮光ネットはこちら
春から秋にかけては屋外管理がおすすめですが、最低気温が10度を下回る冬場は屋外はNGです。お部屋に取り込むようにしましょう。

水やり
ベリッキアナは乾燥には比較的強い品種です。
4〜10月の生育期は週3回〜程度、真冬の休眠期は週2回程度たっぷりと滴るくらい水やりを行いましょう。風通しが確保できる明るい環境なら毎日あげても問題ありません。
暖かい季節は気孔の開く夕方以降に水やりするのが効果的と言われています。ただし冬場は株を冷やす恐れがあるため、昼間に水やりしましょう。
また、風通しの悪い所で濡れたまま放っておくとすぐに蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。

ちなみに水やりを抑えると株の水分量が減り、耐寒性を上げることができます。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたい・豪華な花が見たいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
冬越し
ベリッキアナは寒さには比較的強い方ですが、5度を下回る冬季は屋内で管理しましょう。乾燥し過ぎないよう加湿器を使用するのがおすすめです。
一般的な冬越し・室内管理の方法こちら
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。

▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
▼その他のおすすめ書籍はこちらの記事で紹介
ベリッキアナが枯れる原因
ベリッキアナをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって異様に軽くなったり、葉先から枯れたりしたら疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しが悪いのが原因の可能性が高いです。先述したようにティランジアはに、風通しが非常に大切。中央の葉がすっぽ抜けて枯れてしまったら基部の腐れが原因です。水やり後3時間程度で乾くよう管理の見直しを行いましょう。

※写真はカクティコラです
蒸れる原因となる枯れた下葉は定期的に除去しましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
名前の由来
「velickiana(ベリッキアナ)」は、植物採集や研究に関わった人物
Velický(ヴェリツキー/ベリツキー) への献名とされています。
ベリッキアナの増やし方
“子株”から増やす

チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
根本から出た子株は手でもぎってしまいましょう。この時根本がなかなか取れない場合はカッターなどで根本を切り離す必要がありる場合があります。
子株は親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらえるのでとても早く成長します。

※画像はティランジア・カーリースリムです
▼株分けの詳しいやり方はこちら
種から増やす

開花したら、受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
実は正式な品種じゃない?

英国王立植物園キューガーデンの公式分類データベース
Plants of the World Online(POWO) によると:
👉 Tillandsia velickiana L.B.Sm.(1974)
は「シノニム(異名)」として登録されています。
つまり正式種名ではなく、別種に統合された名前です。
現在の正式分類(Kew基準)
Kew の記載では
- Tillandsia velickiana
↓ - = Tillandsia matudae のシノニム(同一種)
とされています。
ちなみに、ティランジア・マツダエは標本を最初に採集した 植物学者の松田 英二 (まつだ えいじ)氏です。
植物分類学ではかつて独立種として記載→後の研究(形態比較・DNA解析など)で同一種と判断という流れで統合されます。
ベリッキアナはいつ誰が記載した名前?
Kew掲載データより
- 命名者:Lyman B. Smith(L.B.Sm.)
- 初記載:1974年(Phytologia誌)
ブロメリア研究の超重要人物です。
なぜ統合されたのか
Kewが採用している世界チェックリストでは
- 標本比較
- 分布重複
- 形態差が連続的(変異範囲内)
などの理由から、独立種レベルの差異がないと判断されました。
(2004年 World Checklist of Monocotyledons に基づく)
園芸界で名前が残っている理由(重要)
園芸流通では
- 古い名称が流通ラベルに残る
- 栽培型(フォーム)として区別される
- 見た目差があるため便宜上別名使用
そのため現在でも
- ベリッキアナ velickiana
という名前が普通に販売名として使われています。
👉 園芸名 ≠ 学術的有効名
また、過去にグアテマラの業者がチランジア・オアハカーナの名前で輸出していた事もあったそう。
最後に
ベリッキアナは安価で育てやすい品種なので、見かけた方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
それではこの辺で。

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▼エアプランツの基本的な育て方はこちら
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ティランジアの専門用語、全部まとめました。



