
↪︎ 最終更新 2025年 1月 25日
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
サボテンやアガベなどの多肉植物や、ディッキアなどのグラウンドブロメリアの増やし方として有名な“胴切り”。実は同じブロメリア科の仲間であるティランジアも“胴切り”で効率的に増やす事が出来ちゃうんです。
という事で、この記事ではティランジアの胴切りの方法や、その後の管理について詳しく解説したいと思います。
胴切り(どうぎり)とは?
園芸の世界では、増殖のために株を切断する事を“胴切り”と言います。
植物は、“成長点”が失われると子株や脇目の形成にスイッチが入ります。
通常ティランジアは開花すると成長点がなくなるので成長を止め子株が出てきますが、株を切断して成長点をなくす事で、強制的に子株を形成させることができます。
胴切りのメリット

胴切りを行う事で切り外した上部(天)はそのまま生育し、成長点を失った下部(地)からは子株が出るため、通常の生育よりも子株の数を増やす事ができます。
胴切りをする時期
胴切りは、ティランジアの生育が旺盛な春〜初夏、秋頃に行うのがおすすめ。
ただ、室内管理で温度が保てるのであればどの時期に行っても構いません。
ティランジアの胴切り方法【イオナンタで実践】
必要なもの

- ある程度成長した株
- クラフトナイフ
株が幼すぎるとバラバラになるリスクがあります。また体力が無いと基部からの子株も数が望めないので、注意しましょう。今回は8割ほど生育した「イオナンタ・プレデター」を使用します。
クラフトナイフは感染症のリスクを下げるために熱消毒しておくと良いと言われています。(私はやらない事が多いです。)
アイテムは100均の物でも良いのですが、長く使うなら刃が替えられるものがおすすめ。イオナンタなどの小型株にはこちらで十分かと思います。
手順は以下です。
カットする位置を見極める

株の下1/4くらいの部分で葉をかき分け、カットする位置の目星をつけます。茎がよく見えない場合、葉を1〜2枚外してもいいでしょう。
下部を多く残しすぎると、上部が短くなり成長が鈍化したり、最悪の場合バラバラになる危険があるので注意が必要です。下部には最低限光合成ができるように葉が2周程度残るくらいで大丈夫です。
クラフトナイフで茎をカットする

露出させた茎をクラフトナイフで切断していきます。
中心部には硬い根が数本通っています。これがカットできないとなかなか外れてくれません。
外れた葉をむしり取り乾かす
取れかかった葉がある場合、取り外しましょう。
上下の分離が完了してすぐは水をやらずに傷口をしっかり乾かします。

心配な方は傷口の消毒を

高級品種を胴切りする際は、ダコニールやトップジンなどの殺菌・癒合剤を傷口に添付してもいいでしょう。
私が使用している殺菌剤はこちら。高級品種の株分の際にも使えるので持っていて損はないです。
胴切り後の管理
胴切り後は、下部も上部も今まで通りの管理で問題ありません。
肥料なしでも生育しますが、胴切り後は発根促進系の活力剤を使用するのがおすすめ。
ちなみにアガベなどの発根管理では、胴切り後に希釈した活力剤に漬け込むこともあります。
経過報告

写真はこの株とは違うイオナンタですが、1.5ヶ月で子株が3株出てきました。上部も元気なので成功と言えるでしょう。引き続き経過を載せていきますね。
胴切りのリスク

切る位置が上すぎると上部がバラバラになってしまったり、株が枯れてしまったりするリスクがあります。こちらの画像の株は、下部を残し過ぎて危うく上部がバラバラになるところでした。
胴切りを行う場合は自己責任で。
最後に
胴切りを行うことで通常よりも多くの子株を得る事ができますが、当然リスクもありますので慣れるまでは安価な株で練習してくださいね。
ちなみに有茎種はポキッと折るだけで胴切りできるのでぜひお試しください。
それでは今回はこの辺で。
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▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。
まず、間違いを指摘させて頂くと、サボテンもアガベもブロメリアじゃないです。
グラウンドブロメリアと言ったらデッキアやクリプタンサスですね。
ブロメリアの胴切り自体は非常に興味があります。
エクメアやホヘンベルギアなど、子吹きが渋いタンクブロメリアにも適用できれば非常に有益ですね。
コメントありがとうございます。諸々誤解を招く表示や誤りがありましたので訂正、加筆させていただきました。
品種によっても向き不向きあるでしょうから、これからいろんな方が実験していく中でより確立した増やし方になっていく事を願っております。