
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
ティランジア(チランジア)の無菌播種を行う上で避けては通れないのがコンタミ(カビなどの混入)。放置するとカビに飲まれて苗は枯れてしまいます。
ということで、この記事ではティランジアの無菌播種でコンタミしてしまった場合の対処法について解説していきたいと思います。
コンタミした時の対処は2パターン
実際のコンタミの様子です。このカビを放っておくと危険です。
① 3ヶ月以内にコンタミした場合はやり直し
実生から3ヶ月以内でコンタミした場合は、再度次亜塩素酸ナトリウムで苗を消毒し、培地の作り直しを一から行い再度培地での無菌管理するのがおすすめです。
成長加速を重視したい方は、4ヶ月目以降も無菌播種のやり直しをおすすめします。
▼無菌播種のやり方はこちらで確認
② 大きくなっている場合は順化
コンタミした場合でも、苗がある程度大きくなっていればそのまま順化させてあげましょう。
ティランジアの順化は、超高湿度状態で10日+高湿度環境で半年ほどかけて行います。
今回は4ヶ月でコンタミしてしまった「カーリースリム×ストレプトフィラ」を順化させていきます。
手順は以下の通りです。
培地から苗を取り出す

容器を開封し、実生苗を取り出します。
苗に付着した培地を洗い流す

苗に着いている培地を軽く洗い流します。
※コンタミ後に順化させる場合

コンタミして順化させる場合は、苗にカビ菌が付着していますのでしっかりと洗い流し、種に付いている綿毛もできる限り取り除くようにしましょう。
さらにカビの発生を防ぐために次亜塩素酸ナトリウム水溶液で苗の殺菌消毒を行います。

▼次亜塩素酸ナトリウムの作り方はこちらの記事で確認
茶色くなったり半透明になってしまった株は残念ながら助かりませんので、ここで取り除きます。

順化用の容器を準備する
タッパーを使って簡易的な容器は手作りする事ができます。
適当な容器に、鉢底ネットなどで台を作ります。
順化用の容器に苗を入れる

台に苗を置いていきます。この時苗に光が当たるように、ある程度上向きにしてあげましょう。
小さな苗は脆いので取り扱い注意です。
容器に水を入れて蓋をする

湿度を保つため容器に水を入れ蓋をしていきます。
この時、溜める水を次亜塩素酸ナトリウム水溶液にする事で後々カビを生えにくくする事ができます。
この容器専用の蓋がありましたが、そちらは使わず光を通すサランラップを使用しています。この時1cm程度隙間を開けておきます。

苗が乾いた状態が続かないように、毎日ミスティングを行います。
水が減ったら都度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を追加していきます。
容器の蓋を徐々に開けていく

毎日苗を観察しながら徐々に蓋の隙間を広げていき、外気に慣らしていきます。
そして20〜30日で蓋を全て外しましょう。
途中で乾燥によるダメージなどが見受けられる場合は蓋の開け具合を調整してください。とにかく毎日、朝晩2回は苗の様子を観察するのが大切です。

高湿度環境で半年程度生育する

蓋を外した後しばらくは下に溜めた水が切れないようにし、常に湿度の高い状態を保ちます。ミスティングもまめにしましょう。
風が直接当たると乾燥しすぎるので、エアコンやサーキュレーターなどが直接当たらないように注意しましょう。
環境によって調節しよう
栽培環境(湿度・温度・風・光)によって最適な方法があるのでこれが正解ではなく様子を見ながら調整する必要があります。
乾燥しやすい場合は、鉢底ネットの上にキッチンペーパーなどを敷くと湿度を保てます。(その場合溜める水は次亜塩素酸溶液ではなく普通の水にしましょう。)
また、湿潤環境では、光が足りないとすぐに蒸れて枯れてしまうので、LEDライトは必須です。
コルクなどの上に置いて着生させればより安定して生育できるのでおすすめですよ。
終わりに
いかがでしたでしょうか。無菌播種にコンタミは付き物ですが、起きてしまったからと言ってお終いではありません。状況に応じて正しく対処することで苗を生かすことは可能ですので、ぜひ試してみてくださいね。
この記事の内容はあくまで私の生育環境における経験に基づくものとなります。あくまで目安にしながら、ご自宅の環境に合わせて調整し、それぞれ最適なやりを探してみてください。
▼順化の基本的な手順はこちら
▼種の作り方はこちら
▼育て方についてはこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。
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