【ティランジア無菌播種】フレッシュキーパーを使った順化の方法/タイミング

こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。

ティランジア(チランジア)の無菌播種を行う上で避けては通れないのが【順化(じゅんか)】です。でもそもそもビンから株を出して順化させるタイミングや、やり方って調べてもなかなか出てきませんよね…

ということで、この記事ではフレッシュキーパーを使ったティランジアの順化について深堀していきたいと思います。

※2024年7月15日更新

ティランジアの順化とは

順化とは無菌播種の実生苗を湿潤環境の密閉空間から、乾燥した外気に慣らしてあげる事を言います。

これを行わず、いきなり通常の株と同じ環境にしてしまうと、乾燥耐性の全くない実生苗はすぐに枯れてしまいます。

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ティランジア順化のタイミング

タイミングは、実は人によって様々です。正解はありませんので色々と試してみてください。

・実生から6ヶ月

あまりに早いと無菌播種で生育を加速させた意味がないので、最低でも4ヶ月〜半年は培地で育ててあげましょう。

管理環境(気温や照度)や品種などにもよりますが、半年以降成長が著しく鈍化する場合は早めに順化させるのがおすすめです。

・実生から1〜1.5年

コンタミしなければ、株がある程度大きくなるまで培地で育ててもいいでしょう。

容器の大きさギリギリまで無菌播種で生育させる方もいます。私の場合、1年程でビンが窮屈になり下葉の枯れが起き始めるのでこのタイミングで順化させる事が一番多いです。

・真冬と真夏を避ける

コンタミした場合を除いてはティランジアの生育期である3〜7月・9〜11月あたりで順化させてあげるのが安全です。ただ、空調での温度管理がしっかりと出来ていれば季節を問わず順化させて構いません。

・コンタミしてしまったタイミング

容器内でカビが発生した場合は、無菌播種は強制的に終了となるのでそのタイミングで順化させましょう。

▼コンタミの対処法はこちらにまとめました

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ティランジア順化の方法

ティランジアの順化は、超高湿度状態で20日+高湿度環境で半年ほどかけて行います。

今回は播種から約1年で2〜3cm程度まで育った「カーリースリム×ストレプトフィラ」を順化させていきます。

手順は以下の通りです。

培地から苗を取り出す

容器を開封し、実生苗を取り出します。

苗に付着した培地を洗い流す

※写真は4ヶ月目のものです

苗に着いている培地を軽く洗い流します。

この時茶色くなったり半透明になってしまった株は残念ながら助かりませんので、ここで取り除きます。

枯れた下葉を取り除く

湿度をキープしてくれるからあってもいいかなと思いましたが、カビなどが怖いので取り外しました。

順化用の容器を準備する

私が使ってる容器(フレッシュキーパー)はこちら。

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上の扉を徐々に開けて行けられるのが非常に優秀。ややお値段は張りますが、ずっと使えて使い勝手もいいのでおすすめです。

安価に済ませたい方は容器を手作りする事もできます。

▼手作り容器の作り方こちら

順化用の容器に水を注ぐ

湿度を保つため容器に水を入れます。

カビが発生しないよう水は週一ペースで入れ替えましょう。

容器に苗を並べる

台に苗を置いていきます。この時苗に光が当たるように、ある程度上向きにしてあげましょう。

小さな苗は脆いので取り扱い注意です。

容器に蓋をする

容器に蓋を被せたらティランジア保育園の完成です。

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順化中の管理方法

育成ライトを準備する

ヘリオスグリーンLED

薄暗い環境だとすぐに蒸れてしまうので、LEDなどを用いた明るい環境で管理する必要があります。ライトを持っていない方は必ず使用してください。

私が使用しているおすすめライトはこちら。

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安価な割に性能は申し分ありません。

光源の直下では強すぎるので、やや外した位置に置いています。私は5000lx程度の位置に置いています。

超高湿度を保つ

ティランジア順化後の管理

※写真は別容器の個体です

ビンの中で育った幼い苗は乾燥耐性が全くありません。

苗が乾いた状態が続かないように、毎日ミスティングを行います。最低2週間は常に濡れた状態を保ちましょう。容器に溜めた水で株が濡れてしまっても構いません。

容器の蓋を徐々に開けていく

最初の1週間は蓋の小窓を微調整します。

2週間目から3週間目にかけては上の左右の蓋を徐々に開け、外気に慣らしていきます。

この期間も株が完全に乾く時間が長いと危ないので毎朝晩ミスティングで濡らしてあげましょう。毎日苗を観察しながらダメージがあると感じたら、蓋の開け具合を随時調整つします。

そして30日ほど経った段階で蓋を全て外しましょう

ただこの時も高湿度を維持する必要があるので中の水は溜めっぱなしにしてください。

着生を狙ってもOK

こちらは順化開始から20日の様子です。株の調子が良ければ発根する苗が出てくるので、コルクなどを下に置いて着生させて上げてもいいでしょう。着生により調子が上がるとも言われています。

その後も高湿度環境で半年程度生育する

蓋を外した後しばらくは下に溜めた水が切れないようにし、常に湿度の高い状態を保ちます。ミスティングもまめにしましょう。

通常の管理に戻して順化完了

半年ほどで通常の株と同じ管理に戻せます。ただ、幼苗は乾燥には弱いので水やり回数は多めがおすすめです。

※環境によって調節が必要

栽培環境(湿度・温度・風・光)によって最適な方法があるのでこれが正解ではなく様子を見ながら調整する必要があります。

乾燥しやすい場合は、キッチンペーパーなどを敷くと湿度を保てます

肥料を与える場合は規定よりもさらに薄めて2万倍以上希釈しましょう。

次世代の開花までの長い道のり

こちらがティランジアを種から育てるロードマップです。順化開始から次世代のお花を拝めるまでには最低でも4年ほどかかります。気長に、根気強く育てていきましょう。

終わりに

この記事の内容はあくまで私の生育環境における経験に基づくものとなります。

環境が変わると、順化の期間や水やりなどの条件も変わってきますので、あくまで目安にしながらそれぞれ最適なやりを探してみてください。

また何かいい方法をご存知の方や、みなさまが実践している順化方法など是非コメントで教えてくださいね。

▼種の作り方はこちら

▼交配の相性はこちら

▼育て方についてはこちら

▼分からない言葉はありませんでしたか?

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