↪︎ 最終更新 2026年 8月 30日
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
植物の世界には突然変異によって生まれてくる奇形の個体が存在します。
その中でもティランジアには、突然変異などによって通常とは異なる姿に成長する個体があります。
その代表的なものが、成長点が帯状に広がる「クレステッド(Crested)」や、成長点が不規則に分裂して複雑な姿になる「モンストローサ(Monstrose)」です。
- クレステッド(クレスタータ/クリスタータ):Crested
- モンストローサ(モンストローズ):Monstruosa/Monstrose
「クレステッド株」と一括りにされがちな変異種ですが、実はこの2つには明確な違いがあるんです。
それでは、それぞれの特徴を見てみましょう。
クレステッド(クレスタータ):綴化/帯化
「成長点が帯状に連なったもの」

こちらはイオナンタ(アプレタードBRT)のクレステッド個体の写真です。このように成長点が帯状に綴(つづ)れて現れるのをクレステッドやクレスタータと言います。

成長点が横方向に連なり、扇形に成長していますね。
※cris(クリス)とは鶏のトサカを意味しています。なるほど!
こちらは、【ティランジア・カプトメドゥーサエ】のクレステッド株です。同じく扇状に展開しています。
こちらは、【ティランジア・キセログラフィカ×カピタータ】のクレステッド株です。この品種は非常に素晴らしい草姿が見られます。
クレステッド株は、原種とはまた違った異形の美しさがありますよね。
ティランジアのクレステッドはさまざまな品種で見られますので探してみると面白いですよ。
キセログラフィカ×カピタータ・クレステッドの開花
各成長点から花芽が上がります。今回は花芽が6本上がり、花芽の1本は全て開花せず、いくつかの花は奇形でした。
モンストローサ(モンストローズ):石化(いしか・せっか)※
「生長点が乱れてカタチが崩れたもの」
こちらは【ティランジア・イオナンタ】のモンストローサ個体の写真です。
このように成長点がいたる所に出て、形状自体が原種からかけ離れて変化してしまうのをモンストローサと言います。もはやイオナンタの面影はありませんね。
monstruosa(モンストローサ)はラテン語で”怪物のような”という意味があります。まさにモンスター!
イオナンタのモンスト個体として有名なのは、BCRに登録されている園芸品種 Tillandsia ‘Monstrose’ です。
※ラテン語の「Monstrose」は、植物の通常とは異なる奇形的な成長を表す英語の園芸用語としても使われ、日本では「モンストローサ」「石化」などと呼ばれることがあります。
サボテン・多肉植物では forma monstruosa などと表現されたり、獅子化(ししか)と呼ばれたりもします。
ティランジアのモンスト個体は、自分の知る範囲ではイオナンタ以外はほぼ流通しません。海外の趣味家の方が【カピタータ イエロー×ノバキー】のモンスト個体の写真を SNSに上げているのを見かけた事がありますが、他は見た事がありません。
イオナンタ・モンストローサの開花
成熟した部分から部分的に紅葉し花が上がります。
全体が真っ赤に染まり大量の花が出る場合もあり、そうなると圧巻の草姿を楽しめます。
▼より詳しくはこちら
▼株分方法はこちら
先祖帰りする事も

クレステッドやモンスト株からは、通常のイオナンタに近い形態の子株が生じることがあります。こうした子株が、その後どのような形態で成長するかには個体差があるため、幼株の段階だけで判断するのは難しいでしょう。
またこれらの変異個体を交配して種を作っても、受け継がれない事が多いので、栄養繁殖/クローン(子株)から増やします。
矮小化しやすい
クレステッドやモンスト株は、基本種よりも小さくなりやすい性質があります。正常な成長ができていないで当たり前かもしれませんね。
こちらは【ティランジア・アメイジンググレイス(ブルボーサ×ロゼオスカパ)】のクレステッド個体の写真です。本来は大型種ですが、数年育てても、ほとんどサイズに変化はありません。
モンスト&トリコームレスのW変異個体
こちらは、ティランジア・リオホンドエンシスのモンスト個体です。さらにトリコームレスと呼ばれる変異も見られる非常に珍しい状態です。
変異個体は高級品
増えない上に株分けしにくい
変異個体は希少で、出回っている数自体が少ないので、高値になる傾向があります。
その理由としては、成長の遅さがあります。特にモンスト株は成長が非常に遅く、なかなか増やす事ができません。
また、複数の生長部が連続して形成され、互いにつながった構造になるため、一般的なイオナンタのように「子株をひとつずつ簡単に外す」という感覚では株分けしにくいんです。
こちらは【キセログラフィカ×カピタータ クレステッド】の株分けの様子。芯ごとぱっかーんしたので、ダメージが大きそうですが、何とかどちらも枯れずに済みました。
ちなみにこの株はほぼ成熟していますが、1年に1株のペースでしか増やす事ができていません。
生産者からしたら種から増やせない上に子株で増やすのも時間がかかるため、値段も上がってしまうのでしょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
ちょとお高い変異株ですが、原種とはまた一味違った魅力があるので、機会があればぜひ手に取ってみてくださいね。
それではこの辺で。
▼イオナンタ アプレタードBRTのクレステッドについて詳しくはこちら
▼キセログラフィカ×カピタータ クレステッドについて詳しくはこちら
▼まだまだありますティランジアの突然変異
▼エアプランツの基本的な育て方はこちら
▼育成カレンダーご活用ください

▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。


























買ったイオナンタがたまたまクレステッドで、きずかず株分けしてしまった…
それは幸運なのか悲劇なのか…枯れていないならいいですね!