
↪︎ 最終更新 2025年 4月 13日
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では人気のガルドネリ変種、ルピコラの特徴や栽培時の注意点、相場などをご紹介します。

種名:ティンジア・ガルドネリ・ルピコラ
英名:Tillandsia gardneri var. rupicola
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属名:アノプロフィツム亜属
海辺に住むルピコラ
ガルドネリ・ルピコラはブラジルのリオデジャネイロ州、カボフリオ近郊の海岸に生息している希少種になります。
変種名のrupicolaは「岩に住む(着生する)」という意味です。
ドイツブロメリア協会の会報誌「DIE BROMELIE」に掲載されたルピコラの自生地の写真には、背景に海が写っており海に近い環境であることが分かります。海の近くに自生しているため野生株は下葉から磯の香りがするそうです。一般的に、植物は塩害に弱いものが多いですがルピコラはかなり耐性があるようです。
ルピコラは基本種より葉が肉厚でやや硬質です。また花色にも違いがあり、基本種が【薄ピンクの花包】に【濃いピンク色の花弁】なのに対し、ルピコラの花は【ピンク色の花包】に【薄ピンク〜パープルの花弁】です。白花タイプも存在します。
近縁のチャペウエンシスにも草姿が似る場合がありますが、チャペウエンシスの花序は大きく分岐するのに対し、ガルドネリは先端で小さく分岐するという違いがあります。
ルピコラにも色んなタイプがいる

ルピコラは栽培品種が複数存在し、花色の違いだけでなく、小型のコンパクトフォームや大型のラージフォームなども存在します。
肉厚の葉が特徴の一つですが、比較的薄葉のものも存在します。
米国のナーセリーレインフォレスト産やバードロックトロピカル産のルピコラはこのような細葉タイプで、稀に流通のある野生株の姿に近い草姿です。
ハワイのドミンゴさん由来の実生のルピコラや、廃業したティランジアインターナショナルのルピコラは葉幅が広く短いタイプです。こちらは最近流通が増えてきたため、ルピコラと言えばこちらのタイプを想像する方が多いかと思います。
ガルドネリの近縁種についてより詳しく知りたい方はこちらの書籍がおすすめ。
ルピコラの美しい草姿

ルピコラはガルドネリと同様濃いトリコームに覆われた銀葉種です。噴水状に広がる草姿は非常に美しく人気が高いのも頷けます。

生育の注意点
基本種のガルドネリほど栽培は難しくはないものの、十分な光や風がないと腐りやすい品種で、水のやりすぎには注が必要です。筆者はLED・サーキュレーター環境で週2〜3回程度の水やりで管理しています。
また、風通しが十分でない環境で枯れた下葉をそのままにしておくと、水分を溜め込み蒸れの原因になるので、栽培環境の風通しが十分でない方は定期的に下葉をお手入れしてあげましょう。

ガルドネリ系のティランジアは根がしっかり張っていないと成長が止まったり上手く生育しない場合があります。コルクや流木などに着生し、成長のスイッチが入ると調子良く生育してくれます。
こちらは流木固定後してから1年間の変化です。
横向きに仕立てれば美しい屈曲を愉しめます。

ルピコラの相場
価格は30,000~70,000円と高額
※流通量や、株の状態・サイズなどで価格は大きく変動します。
ルピコラは特に大株で見た目が美しい株であるほど金額が跳ね上がる傾向があります。
※山採り株はリスクがあります。特に生育難種だと、環境変化でダメになってしまう可能性があります。そう言った理由から山採り株は買い手からも敬遠されるので、実生や増殖株より安く取引されます。それでも安い株が欲しい方はリスクを覚悟して買われてください。
ここからは個人的な考えです。筆者は『山採り株』はなるべく買わないようにしています。と言うのも、ティランジアは自生地での乱獲により様々な種が野生環境下で絶滅の危機に瀕しています。(直接の原因は現地の開発による自生地の破壊である場合が多いですが)
これは買う側にも責任があると思うんです。最近だと『山採り株は扱わない』というポリシーの業者さんも多いようです。皆様もこのような現実があると言う事だけは知っておいて欲しいです。
それでは今回はこの辺で。
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