非公開:世界が注目!ブロメリア協会 滝沢会長の奇跡の斑入りティランジアを一挙紹介!

↪︎ 最終更新 2025年 10月 9日

こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。

今回は、日本ブロメリア協会の会長・滝沢弘之氏に取材を行い、彼の所有する超レアな斑入りティランジアたちをご紹介いただき、記事にまとめました。

滝沢弘之氏について

医師でありながら植物学への深い造詣も持ち、ティランジア研究の第一人者として知られる滝沢弘之氏は、日本ブロメリア協会の創立メンバーにして現会長を務めています。1992年刊行の『ティランジア・ハンドブック』やその後に共著で発行された新版は、国内外のエアプランツ愛好家にとってバイブルとなる実用書となりました。

日本ブロメリア協会は1998年に滝沢氏と清水秀男氏らの呼びかけにより発足し、現在は国際ブロメリア協会の日本支部を兼ねつつ、若い会員層が活発な活動を展開しています。

また、活躍は日本のみならず海外でも。2000年のサンフランシスコで開催された国際ブロメリア会議での講演を皮切りに、毎年世界各地のイベントでゲストとして招待され講演を行なっています。近年では、2020年にオーストラリア・ブリスベンで開催された国際イベント「Tillandsia Day」にて、その後はコロナ禍を経て2023年にはニュージーランドで、2024年にはフロリダ州で開催された国際ブロメリア会議でメインスピーカーとして登壇するなと常に世界中の研究者から注目を集めています。

滝沢会長インタビュー

※以下インタビュー 質問項目です

・ティランジアとの出会いは?

・新しい品種を交配・選抜・育種し続けることについて、その思いを教えてください

・斑入りのティランジアの魅力について教えてください

・今後の展望についてお聞かせください

・最後に全国のティラフリークに一言ください

滝沢会長の斑入りティランジアとは?

滝沢会長が育種・選抜したティランジアの数々は稀少性と美しさを兼ね備えています。中でも斑入りの個体は日本はもちろん海外のコレクターにとっても非常に入手困難…

私もそんな彼の斑入りティランジアに魅せられた人間の1人です。

今回その素晴らしい斑入り個体を、日本中のティランジアフリークに届けたいと思い立ち、滝沢会長にお声がけさせていただいところ、快諾いただき記事の制作に至りました。

それでは、会長のコメントとともに魅惑の斑入りティランジア達をお楽しみください。

会長秘蔵の斑入り品種たち

Tillandsia ‘Solar Glow’

  • ティランジア ‘ソーラー グロー’
  • Tillandsia ‘Solar Glow’
  • チランジア ‘ソーラー グロー’
  • チランジア ‘ソーラー グロー’の花

ティランジア ‘ソーラー グロー’(Variegated form of Tillandsia duratii v. saxatilis)

滝沢会長「15年以上前、小指サイズから栽培をスタートした世界最高峰の斑入りドラティです。今では、多数に分岐して背丈は1メートルを超えてきました。圧倒的な迫力があります。斑入りは、安定して分岐株に引き継がれています。

この奇跡のドゥティは野生採集のドラティの中から、故•佐々木淳(たゆみま)氏により発見され、その個体を私が増殖し、分け合いました。2015年に、佐々木淳氏の名を国際登録の記載文に記し、’ソーラー グロー’ と品種登録をしました(BCR 12975)。」

Tillandsia ‘Infinity’ 

ティランジア ‘インフィニティ’

滝沢会長「新葉が曙斑で展開する奇跡のティランジアです。より強い光線量の場合にはピンクに発色。
葉が外側に行くにつれて光合成のために緑へ。
花粉親は、T. ‘Red Gem’(T. sprengeliana X T. brachyphylla)。
種子親は、T. ‘Mother’s Day’(T. carminea X T. minasgeraisensis)。

実生苗の中からひと株だけ出現した奇跡の苗の増殖を続けています。交配と実生の世界では、可能性と夢は「無限大/Infinity 」である事を示すために、Infinity と命名し国際品種登録をしました。」

Tillandsia caput-medusae ‘Variegated’

ティランジア カプトメデューサエ ‘斑入り’

滝沢会長「4枚目の状態から奇跡的にスタートし、現在では良いサイズの斑入り株が揃い始めました。カプトメデューサエは、ティランジアの普及種の代表格です。数えきれないほどの苗が増殖されて流通しています。しかし、‘斑入り’となると、殆ど見ることがないほど希少となります。
私の温室では、8株の斑入りカプトメデューサエが育っています。どれもが中南米の野生採集血統であり、大変な苦労をして手にしたものです。

斑入りと言っても、様々なタイプがあります。鮮明な斑入りではなく、水に濡らさなければ斑入りが分かりにくいタイプ。ライムグリーンのように緑がかった斑入り。白い斑入り。ピンストライプが沢山入る縞斑入り…などなど。写真のタイプは、イエローホワイトの鮮明な斑入りタイプで、私が知る限りベストと感じるものです。親株から3つの子株が出ています。どれもが、バランスの良い斑入りです。斑は、魔力があるかのように、植物を魅力的に変えてしまうパワーがあります。」

Tillandsia(Racindsia) ‘Kiseki’ & ‘Miracle’

ティランジア ‘キセキ’ と ‘ミラクル’ 

滝沢会長「オリジナル品種です。2000年の実生。
種子親は、T/R. dyeriana.
花粉親は、T. cacticola.
19年前、小さな小さな交配実生苗の中から、ひとすじの斑入りの葉を1枚持つ苗を見つけました。以来、細心の注意を払って栽培維持に取り組んで来ました。それは本当に難行で、もうダメだと思った事は幾度もありました。しかし、長年の苦労を重ねて行くうちに、このような株を維持出来るようになりました。株は、強さを身に付け、私は、栽培技術を僅かながら向上させました。‘Kiseki’ とは、もちろん ‘奇跡’ を意味します。
‘Kiseki’ : 中斑タイプ
‘Miracle’ : 外斑タイプ
(国際登録品種)
登録後に、更に進化して‘Miracle’ は、外斑に加えて、縞斑を見せています。」

Tillandsia ‘Rose Violet’ 

ティランジア ‘ローズ バイオレット’

滝沢会長「オリジナルハイブリッドです。ムーレアナ x チアペンシス ‘スーパーベスト’。2002年の実生です。18年の歳月の末に初開花しました。私の大好きな、T. ‘Half Century’ の兄弟株です。開花時期に、葉姿がローズバイオレットに発色し、斑入りと相まって、とても魅力的です。」

Tillandsia caput-medusae ‘New Type /Variegated’

新しいタイプのティランジア カプトメデューサエ ‘斑入り’

滝沢会長「いわゆる“斑入り”とは、別タイプです。新葉は、まるでアルビノのように白く伸長して来ます。しかし、よく見ると淡い緑のストライプや深層に葉緑素が透けて見えます。
成長して葉が外側に行くと、緑のストライプが鮮明になって来ます。アルビノのように白い葉で展開を始めて、やがて緑の斑入りで安定します。夢あるニュータイプです。」

Tillandsia barthlottii ‘Variegated’


ティランジア バルスロッティ ‘斑入り’

滝沢会長「親株は、僅か1枚の葉に、ひとすじだけの斑入りでした。しかし、常念必現、ほぼ完璧な斑入りの子株を得ることが出来ました。そして成長し、美しい開花姿がみられました。」

Tillandsia affinis brachycaulos ‘Variegated’

ティランジア ブラキカウロス類似種 ‘斑入り’

滝沢会長「入手時は、僅か数枚の葉に細い斑入りのストライプが見える程度でした。成長し、葉数を増やすにつれて、斑入り葉が増えて、斑も鮮明で幅広く変化して来ました。下の方の古い葉を観察して頂くと、以前の細いラインの斑入りが見えます。」

Tillandsia ‘Eric Knobloch’ / Variegated.

ティランジア ‘エリック ノブロック’ 斑入り

滝沢会長「凄い豪華さ!」

Tillandsia ‘Deborah Ann’

ティランジア ‘デボラアン’ (Variegated form of Tillandsia riohondoensis)

滝沢会長「この株は、2015年にデニス夫妻(Dennis & Linda Cathcart) が私の家に滞在に来てくれた際のプレゼントのひとつとして贈ってくれたものです。片手のサイズから栽培して8年。今では見事なサイズになりました。」

Tillandsia hondurensis ‘Medio-Picta Aurea’

ティランジア ホンデュレンシス ‘黄金中斑’

滝沢会長「おそらく …世界最高の斑入りホンデュレンシス。1998年の3枚目、4枚目の野生採集の部分的な斑入り株(それでも奇跡的)から改良を続けて20年。ついに完璧な斑入りに磨き上がりました。」

Tillandsia velutina ‘Variegated’

ティランジア ベルティナ ‘斑入り’

滝沢会長「黄金色とも言える斑入りと完璧な球体のようなロゼットです。velutinaの種小名は、ベルベット(ビロード)状の葉を表現しています。メキシコ~中米の標高1200-2000mの針葉の林に自生しています。」

Tillandsia stricta ‘Variegated’

ティランジア ストリクタ‘斑入り’

滝沢会長「数えきれない程に大量のストリクタが毎年のように流通していると思います。しかし、それでも斑入り血統はなかなか見られません。写真の株の斑は、不安定ではありますが、それでも幻では無いと…。」

Tillandsia harrisii ‘Variegated’

ティランジア ハリシー ‘斑入り’

滝沢会長「密なトリコームを纏う美しいティランジアです。その“密なトリコーム”が、斑入りを目立ちにくくしますが…とにかく美しい !」

Tillandsia riohondoensis “variegated”

ティランジア リオホンドエンシス‘斑入り’

滝沢会長「2年程前に新種記載されたメキシコ原産種です。非常に稀有な斑入り株。トリコームの多いティランジアは、水を掛けないと斑入りが分かりにくいのですが、水なしのそのままでこの美しさ。」

終わりに

滝沢会長が作り出す斑入りティランジアは、植物の枠を超えたアートのよう。

今回記事の作成を通して、全部が単なる偶然ではなく、研究と情熱の結晶だと言うことがよく分かりました。

植物が好きな人はもちろん、「こんな世界があるの!?」と驚いた人にも、ぜひ知ってほしいこの魅力。これからも滝沢会長がどんな株を生み出していくのか、目が離せません!

コメントを残す