こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では絶対枯らさないキセログラフィカの育て方と、おしゃれな飾り方をご紹介します。
種:ティランジア・キセログラフィカ
英名:Tillandsia xerographica
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属:ティランジア亜属
キセログラフィカとは
チランジア・キセログラフィカは「エアプランツの王様」とも呼ばれています。それだけ見た目がよく人気が高いためネットだけでなく園芸店などでもよく見かけますね。
自然界では絶滅危惧種となっており、ワシントン条約Ⅱ類で保護されています。
成長スピードはゆっくりですが、50cm以上にもなる大型種です。
トリコームと言われる細かい毛にって葉を白く見えるため、銀葉種と呼ばれています。銀葉種のティランジアは乾燥や強光に比較的強いので、初心者の方にもおすすめです。
土や鉢を必要としないので、そのまま置いて飾ったり流木にくっつけたり、ハンギングで吊るしたりと色んなディスプレイ方法で楽しむことができます。
気軽にお部屋に取り入れられる事からおしゃれなインテリアグリーンとして人気の高い反面、間違った管理方法で枯らしてしまう人が多い植物です。
エアプランツの花言葉と風水効果
エアプランツの花言葉は『不屈』。「土が無くても育つ」という強いイメージからこの花言葉が付けられました。
またキセログラフィカは、風水では邪気を払う効果があると言われています。 鋭く尖った葉は悪い気を絶ってくれとの事です。
キセログラフィカの育て方
置き場所と日当たり
室内で管理する場合は、夏はカーテン越しの柔らかい光が入る窓辺にしましょう。秋・冬・春は直射日光が当たっても問題ありません。
屋外で管理する場合は、最高気温が30度を超える夏の直射日光は葉焼けするので、日陰に置くか遮光が必要です。
特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
▼使用している遮光ネットはこちら
▼夏越しについて詳しくはこちら
また、キセログラフィカは風が風がないとすぐに蒸れて枯れてしまいます。
室内で風通しが確保できない場合は、サーキュレーターを使用するようにしましょう。
温度
キセログラフィカは中南米原産ではあるものの、暑さにはそれほど強くなく、寒さにも弱い植物です。生育適温は20~30℃で、冬も最低5℃以上をキープして育てる必要があります。
夏は涼しい半日陰、春から秋にかけては屋外管理がおすすめです。屋外で育てる場合は、最低気温が10℃以下になり始めたら室内に移動させましょう。
真冬の窓際は屋外と変わらないくらいに温度が下がるので、暖房が十分でない場合は窓から少し離して管理すると良いでしょう。また暖房の風もNGです。乾燥して枯れる恐れがあるので、風が直接当たらない場所に置くことも重要です。
水やりの頻度
キセログラフィカはお水が大好きなタンクタイプのティランジアです。
4〜10月の生育期は週2〜3回程度、真冬の休眠期は週1回程度たっぷりと滴るくらい霧吹きで水やりを行いましょう。風通しが確保できる明るい環境なら毎日あげても問題ありません。
屋外ならジョウロなどでバシャっとあげてしまうのが楽です。
また、暖かい季節は気孔の開く夕方以降に水やりするのが効果的です。ただし冬場は株が冷えすぎる恐れがあるため、昼間に水やりしましょう。
乾燥して水切れを起こすと、(断面から見て)U字の葉が更にぎゅっと閉じてきます。
水やりをうっかり忘れてしまった場合は応急措置として水を張った容器に6時間程度つけ込む「ソーキング」が有効です。
冬のソーキングは冬は避け、暖かい時期(春から秋の生育期)にのみ行うようにしてください。
株に水は溜めていいの?
風通しの良い屋外管理であれば、株元に常に水をためてあげたほうが早く・大きく成長します。
ただし、屋内管理の場合は風通しが悪かったり、光が十分でないと基部の蒸れ(根腐れ)を引き起こす危険性があるため水はためない方が無難です。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
規定倍率より濃い肥料を与えると、肥料焼けを起こして枯れる原因になるので、注意してください。
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
より大きく育てたい場合は巨大化計画の記事をご参考に。
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。
▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
害虫の対処法
エアプランツは害虫が付きにくい植物ではありますが、油断はできません。
ハダニやカイガラムシなどの害虫を放置すると大量発生し、枯れてしまう危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
▼詳しくはこちらで解説しています
キセログラフィカの花
キセログラフィカを上手に育てれば、紫色の筒状花を見ることができます。写真は花芽が出ている株で、間も無く開花が見られます。
2ヶ月後、開花した姿がこちら。
通常キセログラフィカは紫色の花を咲かせますが、非常に珍しい事にこの子は白花でした。
お店で売られている手の平サイズからだと3〜5年で成熟し、開花を見られます。実生(種から育てる事)だと開花まで10年以上かかる場合もあります。
ちなみにこの写真のキセログラフィカは、ティランジア専門ナーセリーの【エアープランツ天狗堂】さんで購入。
↓こちらのSサイズから2年でこのサイズまで成長しました。
キセログラフィカの寿命
キセログラフィカの寿命は10年程度です。成熟して開花を迎えると、成長は止まり子株を出しながら徐々に枯れていきます。
20年以上生きる長寿の個体もあります。
キセログラフィカが枯れる原因
キセログラフィカをはじめとするティランジアを枯らしてしまう原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。葉がカラカラになって異様に軽くなったり、葉が丸まってきたり、葉先から枯れたりしてきたら水切れを疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しが悪いのが原因の可能性が高いです。先述したようにキセログラフィカは、風通しが非常に大切。中央の葉がすっぽ抜けて枯れてしまったら基部の腐れが原因です。管理の見直しを行いましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
キセログラフィカの飾り方
吊るすのがおすすめ
キセログラフィカをはじめ、エアプランツは風通しが確保できるよう吊るして飾るのがおすすめです。
また、吊るすことで葉が綺麗に垂れてより美しい形に育てる事が出来ます。
- マクラメ編ハンガー
マクラメ編みのハンギングを使用したオーソドックスな飾り方。リーズナブルに導入できます。
- レザープランツハンガー
キセログラフィカを飾るために開発された【レザープランツハンガー】を使用するのもおすすめ。ティランジア専門店『エアープランツ天狗堂』さんの商品です。
入れるだけで、とってもおしゃれに飾れる上に、根が出たら着生してくれる素材です。
▼詳しくはこちら
- アイアンハンガー
通気性抜群で見た目も◎。置く場所がなくて困っている方にはこちらにまとめて飾ってみてはいかがでしょうか。
▼詳しくはこちら
- ドリームキャッチャーハンガー
メタルフープにコットンロープを編み込んで『ドリームキャッチャー』を作り、ぶら下げるためのハンギングを取り付けた筆者オリジナルのハンギングです。
ティランジアを可愛く飾りたい方におすすめの方法です。
▼ 作り方はこちら
- 流木仕立て
キセログラフィカは流木に着生させるのもおすすめです。野手溢れる見た目を楽しめます。
風通しがイマイチな室内管理など、蒸れ対策で水を溜めたくない場合は、縦向きに仕立てて吊るすのもおしゃれですよ。
キセログラフィカの増やし方
キセログラフィカは“子株”から増やす
チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
株が成熟すると花芽が伸びて来て美しい開花が見られます。そして開花の前後で株元から子株が出て来ます。この子株は、親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらえるのでとても早く成長します。
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、外さずにそのままクランプ(群生)にする楽しみ方もあります。
種から増やす
受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
最後に
キセログラフィカは育てやく、初心者からフリークまでとても人気の品種なので、皆様もぜひチャレンジしてみてくださいね。
それではこの辺で。
▼キセロを有茎種にしたような品種もあります
▼いろんな飾り方まとめました
▼エアプランツの基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。
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