知らないと大損する!? チランジアの“山採り株”のリスク【ワイルド株・野生採取株】

オークションなどで安価で取引されるチランジア/ティランジアの山採り(ワイルド)株。

語感のかっこよさ安さからつい飛びついてしまう人が多い野生採取株には、実は危険な落とし穴があるんです。

順化不足による枯れの可能性

山採り株最大のリスクは株が日本の環境に適応できない可能性です。

野生のティランジアは中南米が原産で日本の気候環境とは全く違います。そのため、販売する前に日本の環境に2週間〜1ヶ月程度慣らす“順化”と呼ばれる期間を儲ける必要があります。ここで変化に対応できない株はそのまま枯れてしまいます。

業者によっては、この順化期間がほとんど設けられず販売される場合があります。そのせいで「野生株を購入したが2週間で突然枯れてしまった…」という事態が起こる訳です。

ワイルド株は、野生だったからといって決して頑丈な株ではないんです。

山採り株 枯れの実例

※ インスタグラムアカウント @gard.neri 様よりお写真をご提供いただきました

こちらは順化できず枯れたティランジア・カルミネア。

環境変化によるダメージで枯れる株は、蒸れで枯れる時とは逆で下葉から枯れが進行する事が多いです。枯れた部分は水を溜めすぎるため、生きた中心部分を残してむしって養生してあげれば、持ち直せる場合も稀にあります。

そしてこちらが、輸入時に蒸れで内部が枯れていたティランジア・ガルドネリ・ルピコラ。

こちらが購入時。外見からは、内部が腐っている事は全く分かりませんよね。

ここから1ヶ月で枯れてしまったとの事。

しっかり順化された株を買おう

ワイルド株に限らず遠方から輸入される株は、1週間以上真っ暗で風のない箱の中にぎゅうぎゅうに詰められた劣悪環境での輸送になるため、そのダメージで腐ってしまう場合があります。輸入後の順化期間は輸送ダメージで枯れてしまう株を見極める期間でもありますので、心配な方は順化をしっかり行っている信頼できる販売店を選びましょう。

※国内増殖株の場合このような心配はありません。

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育成難種は特に注意

例に挙げたガルドネリー系(ルピコラ・チャペウエンシス・ピアウイエンシス)などの生育難種や、カルミネアカウツキーなどは「購入後すぐに枯れた」といった相談を受ける事が多い品種になります。この辺りは値段も高いので特に注意が必要です。

この辺りの山採り株は2週間程度の順化期間を経ていても、購入から1ヶ月後に突然体調を崩す事象が見られます。高山性の涼しく乾湿のメリハリある環境に自生しているティランジアにとっては、日本の真夏や真冬は本当に厳しい気候なんです。

リスクの高さから実生増殖株より低価格で取引される場合が多いワイルド株ですが、手を出す場合はしっかりリスクを認識しておく必要があります。

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乱獲された株かもしれない

ティランジアは自生地の開発や乱獲により野生環境下で絶滅の危機に瀕している種もあります。(野生採取株の全てが違法乱獲されている訳では当然ありません。)

これは買う側(需要がある環境)にも責任があるはずです。最近だと『山採り株は仕入れない』というポリシーの業者さんも多いようです。

消費者として違法性を確かめる術はありませんが、皆様もこのような現実があると言う事だけは知っておいて欲しいです。

最後に

画像にまとめました。

山採り株を検討されている方は、購入後の枯れのリスクや野生採取が引き起こす問題までしっかり理解した上で購入しましょう。

最後に自生地の写真を眺めながらお別れです。

※この記事の自生地写真は全て【エアープランツ天狗堂】さんよりご提供いただきました。

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