こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
土の要らない植物『エアプランツ』として人気のTillandsia。
ネット記事や園芸店のラベルをみると、ティランジア以外にもチランジアだったり、チランドシアだったりと表記がまちまちで「何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか。
この記事ではそんな疑問を解決したいと思います。
発音は【ティランジア】が正確
結論から言うと、『ティランジア』が正確な発音で、正式な品種名もこれで登記されています。
理由は以下です。
Tillandsiaは人名由来
ティランジアの名前は、スウェーデンの医師/植物学者であるエリアス・ティルランツ(Elias Tillandz)氏に由来しています。
命名は本人ではなく、同じくスウェーデンの植物学者、分類学の父と呼ばれているカール・フォン・リンネ(Carl von Linné)です。
国際命名規約によると、植物と菌類の名前を人名から付ける場合には、語尾に合わせて-a、-ia、-eaをつけて人名を女性化(使用言語はラテン語)しなければならないんです。そして、人名の語尾が子音の場合は-iaになるので、Tillandz →Tillandzia→Tillandsiaとなった訳です。
そのため、日本語で表記する場合はティランジアが正式とされています。
人名由来のティランジアたち
ここからは深掘りです。ティランジアは品種名にも人名や地名由来のものが多くあります。
- ティランジア・エーレルシアナ(Tillandsia ehlerusiana)
- ティランジア・セレリアナ(Tillandsia seleriana)
- ティランジア・エディシアエ(Tillandsia edithiae)
- ティランジア・タキザワエ(Tillandsia takizawae)
- ティランジア・ハリシー(Tillandsia harrisii)
- ティランジア・ドゥラティー(Tillandsia duratii) など
人名・地名などの固有名詞由来のティランジアには、語尾に-ana、-ae、-ii、kが含まれていると言った規則性があります。kが含まれていると固有名詞になる理由は単純で、ラテン語にはkが存在しないためです。なのでkが付く名前はラテン語以外の言語に由来していることが推察されると言う訳です。
ちなみにタキザワエは、日本ブロメリア協会会長の滝沢弘之さんが発見したティランジアとなります。日本人の名前があるなんて驚きですよね。
見た目由来のティランジアたち
固有名詞の他に花色や草姿が由来になることがあります。
- ティランジア・イオナンタ(Tillandsia ionantha) – すみれ色(の花)
- ティランジア・ヴィリディフローラ(Tillandsia viridiflora) – 緑色の花
- ティランジア・プセウドベイレイ(Tillandsia puseudbaileyi) – puseudは偽物の~
- ティランジア・ウスネオイデス(Tillandsia usneoides) – oidesは~もどき
人名のルールに当てはまらない名前のティランジアを見かけたら、ラテン語で何かしらの意味が込められてるんだろうなと想像できたりもします。知れば知るほどワクワクしちゃいますよね。
どう呼んでも間違いではない
チランジアが浸透している
ぶっちゃけた話、どの表現でも伝わるので「ティランジア以外は間違っている」と言うのも違うかなと思います。Googleトレンドで検索ボリュームを調べると、なんと『ティランジア』より『チランジア』が圧倒的多数派(10倍以上)で、世間では「チランジア」の方が定着してしまっているようです。
そう言う理由から当ブログでも検索対策的な意味でチランジア表記にしたり、一部にティランジアを織り交ぜて使ったりしています。
これを是正しようとしている偉い人たちや、マニアックな方々、お許しください…
【エアプランツ】とは何なのか?
それでは、エアプランツとは一体何を差しているのでしょうか。
その答えは、ティランジアの特性にあります。ティランジアは土が要らない事や葉から水分を吸収する事から、総称して【エアプランツ/エアープランツ】とも呼ばれているのです。(厳密にはティランジア属の中にも土が必要な品種があるので、全てをエアプランツと呼べる訳ではありませんが…)
この「エアプランツ」は園芸店でなどでよく見かける表示で、「チランジア」よりもさらに一般に浸透していますよね。
ティランジアの分類
これは覚えても日常生活で使えることはありませんが…ここまで来たならせっかくなのでお付き合いください。
一般的にティランジアやエアプランツと呼ばれているのは、イネ目→ブロメリア科(パイナップル科/アナナス科とも)→ティランジア亜科→ティランジア属の中の700種ほどとなります。
交配種まで含めると、登録されているものだけでなんと1500種以上にもなるんです。
ちなみにティランジア属は更に8つの亜属に分類されます。
▼亜属について詳しくはこちら
終わりに
皆様も自分が育てているティランジアの名前の由来をぜひ調べてみてください。きっと何か面白い発見がありますよ。
以上、ティランジアの名前についてのあれこれでした。
それでは今回はこの辺で。
▼こんな疑問ありませんか?
▼エアプランツの飾り方はこちら
▼エアプランツの育て方についての記事もおすすめ
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。
コメント