
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では、栽培難種として知られるエアプランツ(エアープランツ)チランジア・ガルドネリーについて、その特徴や育て方のコツ、飾り方などをご紹介します。
種名:ティランジア・ガルドネリー
英名:Tillandsia gardneri
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属名:アノプロフィツム亜属

ティランジア・ガルドネリー(ガルドネリ/ガードネリー)は南米トリニダード・トバコ、コロンビア、ブラジル、ベネズエラに自生する銀葉種の美しいチランジアです。日本では1990年代より流通しており古くから親しまれているメジャーな品種です。
種小名の由来は、収集家のGeorge Gardner氏に由来します。
2024年後半からはなんと、ダイソーでも目撃情報が挙がっています!

生育はやや難しく、慣れないうちは蒸れによる芯抜けで枯らしてしまうことが多い品種です。
チランジア・ガルドネリーの特徴

紙のように薄く白い葉
ガルドネリーの葉は非常に薄く、触ってみると和紙のような繊細な質感を感じられます。
ティランジアは乾燥地帯適に応するために、強い日差しから身を守り、効率的に水分を吸収する「トリコーム」と呼ばれる白い毛のような鱗片を持ちます。このトリコームを多く持つ「銀葉種」と、湿度の高い森林に生息し、トリコームをあまり持たない「緑葉種」に分けられます。
ガルドネリーは、真っ白なトリコームをまとう【銀葉種】のティランジアで、日差しには比較的強い性質を持ちます。

草姿はストラミネアのように古い葉が下に垂れ下がる特徴があります。
上手に育てるとペールピンクの花包にローズレッドの花弁を持つ可愛らしいお花が見られます。開花サイズは15〜30cmほどと個体差があります。
ゴージャスなピンク花

※開花写真はエアープランツ天狗堂様より
ガルドネリーの開花はとても豪華で、薄緑色の花序から複数のピンク色の花を咲かせます。
栽培難種ガルドネリーの育て方

ガルドネリーはメジャーな割に、クセのある性格です。他のティランジアと同じ管理をしているとすぐに蒸れて芯抜けしてしまいます。本品種は開花するまでは子株が出にくいので、増殖を狙う場合は長期的に維持させる必要があります。
根を張らせる

栽培のポイントは流木などに着生させる事。しっかりと活着させる事で成長のスイッチが入り安定して大きくなっていきます。
枯れた下葉は除去する
枯れ込んだ下葉が溜まると水回りが悪くなったり、水分を含み過ぎたりして生育が悪くなります。枯葉は時々取り除くようにしましょう。
明るく風通しの良いところに置く

※写真はティランジア・コットンキャンディです
室内で管理する場合は、カーテン越しの柔らかい光が入る窓辺にしましょう。冬場は窓辺で日によく当ててあると調子が良いです。

※写真はティランジア・ハリシーです
屋外管理の場合、最高気温が30度を超える夏場は葉焼けするので遮光が必要です。
暗い場所での管理すると腐って芯抜しやすいので注意が必要です。
▼使用している遮光ネットはこちら
▼冬越し・室内管理の方法こちら
濡れっぱなしは絶対NG

※写真はティランジア・コットンキャンディです
ガルドネリーは濡れたまま放っておくとすぐに蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。

十分な日照や風を確保できない場合は、水やりの回数はやや少なめにするのが無難です。
水やり頻度
ガルドネリーは乾燥に強い品種ですが、実は水好きで高湿度を好みます。4〜10月の生育期は週2回〜程度、真冬の休眠期は週1回以上たっぷりと滴るくらい水やりを行いましょう。生育期は風通しが確保できる明るい環境なら毎日水やりしても問題ありません。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたい、子株を増やしたい、豪華な開花を見たいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。※長雨は厳禁です
▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
▼その他のおすすめ書籍はこちらの記事で紹介
ガルドネリーが枯れる原因
ガルドネリーをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の3つです。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しの悪さが原因かもしれません。
先述したようにガルドネリーは、風通しが非常に大切。根本から黒く枯れてしまったら基部の蒸れ・腐れが原因です。水やり後3時間程度で乾くよう管理の見直しを行いましょう。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって異様に軽くなり、葉先から茶色く枯れたりしてきたら水切れを疑いましょう。
光量不足による蒸れ
最適な水やり回数は明るさとも比例します。明るさが足りない場合、株の活性が落ちて体内の水分を十分に蒸散させる事ができず、水やり回数が少なくても蒸れてしまいます。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
ガルドネリーの飾り方
ガルドネリーは生育上、何かに着生させるのが望ましい品種です。
流木付け

流木の上に上置いて、ワイヤーなどで固定しておけば、自然と着生してくれます。
▼やり方はこちら
ガルドネリーの増やし方
ガルドネリーは“子株”から増やす

※写真はティランジア・アエラントス・ニグラです
ティランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。ガルドネリーは開花後に子株を付けます。
子株は親株の半分くらいになったら株分けOKです(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。
また、親株につけたままにしておけば親から栄養をもらえるため非常に早いスピードで成長し、比較的早く次の開花が見られます。
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、外さずにそのままクランプ(群生)にする楽しみ方もあります。
種から増やす

ガルドネリーは他のティランジアとは違い、自家受粉しやすい品種ですので種を作ってそこから増やす事もできます。ただし、実生(みしょう)させて成熟するまでには5年以上かかるので、あまりお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
ガルドネリの仲間たち
実はガルドネリにはいろんな品種が存在します。通常より白く幅広なガルドネリ・モーホドシャペウ(モロドチャペウ)【Tillandsia gardneri Morro do Chapeu】や、マニアの間で大人気のガルドネリ変種ルピコラ【Tillandsia gardneri var. rupicola】、近縁のチャペウエンシス【Tillandsia chapeuensis】、チャペウエンシス変種チュリフォルミス【Tillandsia chapeuensis var. turriformis】、ピアウイエンシス【piauiensis】などがおり、近年注目が高まってきています。
ガルドネリ変種のルピコラは、ブラジルのリオデジャネイロ州、カボフリオ近郊の海岸に生育しています。 DIE BROMELIEに掲載されたルピコラの生育地の画像には、背景に海が写っており海に近い環境であることがわかります。 野生株は下葉から磯の香りがするそうです。一般的に、植物は塩害に弱いものが多いですが、ルピコラはかなり耐性があるようです。 基本種との違いは、草姿と花に現れます。基本種より葉は硬質です。判別が難しい場合もありますが、花を見ることで確実に判断できます。基本種の花弁は濃いピンク色ですが、ルピコラの花弁は淡いピンク〜薄紫の花を咲かせます。
ルピコラの草姿には大きく分けると3つのタイプがあり、一部は基本種と同じような大きな葉を持ち、一部は厚くて短い野生由来のもの、そして小さなドワーフタイプがあります。葉が厚くて短いものはより珍しく流通も少ないようです。
基本種は育てるのが難しいですが、ルピコラ変種は比較的丈夫で育てやすいと言われています。 自生地が限られていて希少で開花しにくく増殖が難しいため、流通量が少なく高額で取引されています。
▼希少種チュリフォルミスについてはこちら
最後に
基本種のガルドネリーは比較的手に入れやすい品種なので、ティランジアの栽培に慣れてきたという方はぜひ挑戦してみてくださいね。
それではこの辺で。
▼エアプランツのいろんな飾り方まとめました
▼チランジアの基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。
早速育ててみます!!
ぜひぜひチャレンジしてみてください!