こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では、ランナーを伸ばして増えていくヴィヴィパラ種の代表的なティランジア、フレクスオーサ・ヴィヴィパラをご紹介します。
種名:ティランジア・フレクスオーサ・ヴィヴィパラ
英名:Tillandsia flexuosa var. vivipara
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属:ティランジア亜属
ティランジア・フレクスオーサ・ヴィヴィパラはベネズエラが原産。フレクスオーサの変種で、花序に子株を付け連なりながら生育する『ヴィヴィパラ種』のティランジアです。ヴィヴィパラ種にはティランジア・インターメディアなどメジャーな品種もあります。
自生地は標高100m前後の低標高の山岳地帯になります。フレクスオーサは生息地域がかなり広く、採取された地名が名前の後に付いている種もあります。
例:flexuosa ‘Grand Cayman’(フレクスオーサ・グランドケイマン):ケイマン諸島最大の島「グランドケイマン」で採取された大型の栽培品種
トルネードのように渦を巻く、Tillandsia flexuosa twisted form(フレクスオーサ・ツイステッドフォーム) という面白いタイプの品種も存在します。
ちなちに基本種のフレクスオーサは『ヴィヴィパラ種』ではありません。
フレクスオーサ・ヴィヴィパラの特徴
Photo by【ありたす | Alita Masaki】
連なりながら大きく育つ
多くのティランジアは、脇芽を出して増えていきますが、ヴィヴィパラ種のティランジアはランナーの途中途中に子株を多く付け、その先端に花を付けます。
ランナーは1メートル以上になる事も珍しくなく、親株は開花後も長期間枯れないので数世代が連なり巨大化していく姿が楽しめます。
ランナーを切って株分けした場合、親株に体力があれば脇からも子株を出します。
子株の付きが良く、増やしやすいのが特徴です。
美しいロゼット型に展開
ティランジアらしい美しいロゼットを形成します。
葉にはうっすらとバンド(縞模様)が入ります。水を溜めて育てると特に強く柄が入ります。
ピンクの可愛い三弁花
フレクスオーサは銀葉種のティランジア
ティランジアは乾燥地帯適に応するために、強い日差しから身を守り、効率的に水分を吸収する「トリコーム」と呼ばれる白い毛のような鱗片を持ちます。このトリコームを多く持つ「銀葉種」と、湿度の高い森林に生息し、トリコームをあまり持たない「緑葉種」に分けられます。
フレクスオーサは薄いながらもトリコームに覆われた、銀葉種のティランジアに分類されます。
フレクスオーサの育て方
置き場所
室内で管理する場合は、カーテン越しの柔らかい光が入る窓辺にしましょう。
最高気温が30度を超える季節の直射日光は葉焼けするので遮光が必要です。
↑茶色い所が葉焼けした部分
特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
夏場は遮光ネットを使用しましょう。
▼使用している遮光ネットはこちら
春から秋にかけては屋外管理がおすすめですが、最低気温が10度を下回る冬場は屋外はNGです。お部屋に取り込むようにしましょう。
水やり
フレクスオーサは水が大好き。
4〜10月の生育期は週3回〜程度、真冬の休眠期は週2回程度たっぷりと滴るくらい水やりを行いましょう。風通しが確保できる明るい環境なら毎日あげても問題ありません。
暖かい季節は気孔の開く夕方以降に水やりするのが効果的と言われています。ただし冬場は株を冷やす恐れがあるため、昼間に水やりしましょう。
また、風通しの悪い所で濡れたまま放っておくとすぐに蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。
ちなみに水やりを抑えると株の水分量が減り、耐寒性が上がります。
生育期の屋外や、明るく風通しが良い室内なら水を溜めて育てるとより調子がいいです。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたい・豪華な花が見たいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
冬越し
10度を下回る冬季は屋内で管理しましょう。乾燥しないよう加湿器を使用するのがおすすめです。
一般的な冬越し・室内管理の方法こちら
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。
▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
フレクスオーサが枯れる原因
フレクスオーサをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって異様に軽くなったり、葉先から枯れたりしてきたら水切れを疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しが悪いのが原因の可能性が高いです。先述したようにティランジアはに、風通しが非常に大切。中央の葉がすっぽ抜けて枯れてしまったら基部の腐れが原因です。水やり後3時間程度で乾くよう管理の見直しを行いましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
フレクスオーサの飾り方
ワイヤーハンギング
シンプルに吊るすのもありです。
フレクスオーサの増やし方
“子株”から増やす
チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
ヴィヴィパラ種の場合はランナーから子株をもぎ取るか、そのままランナーごとハサミで切って株分けします。根本から出た子株は手でもぎってしまいましょう。この時根本がなかなか取れない場合はカッターなどで根本を切り離す必要がありる場合があります。
子株は親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらえるのでとても早く成長します。
※画像はティランジア・カーリースリムです
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、子株もよく吹くので、外さずにそのままクランプ(群生)にする楽しみ方もあります。
種から増やす
開花したら、受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
最後に
フレクスオーサ・ヴィヴィパラは比較的お手頃で育てやすくとにかく成長が早いティランジアです。「大きくて見栄えがする株を楽しみたい」という方や、「短期間で変化を楽しみたい」という方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
それではこの辺で。
▼いろんな飾り方まとめました
▼エアプランツの基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。
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