
こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では人気のエアプランツ/エアープランツ、チランジア・カクティコラについて解説します。
種名:ティランジア・カクティコラ
英名:Tillandsia cacticola
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属名:フィタルリザ亜属
チランジア・カクティコラの特徴

カクティコラはペルー原産、砂漠地帯に生息するトリコームが美しい有茎・銀葉種のティランジアです。
名前はラテン語でサボテン(cacti)に着生して育つことから、cacticola(サボテンの住人)と名付けられました。
また、カクティコラは栽培品種が多数存在する種でもあります。
このページで使用しているカクティコラの写真は全て、カクティコラの栽培品種「Tillandsia cacticola Thin Leaf Form」になります。基本種のカクティコラに比べ、シンリーフフォームは葉が薄く柔軟で、成長が早いのが特徴です。
他にも茎が長く伸びるグローイングフォームやカウレッセントフォーム、葉が短くカールするスプレンディッドフォームなど様々な栽培品種類が存在します。
基本的にどの栽培品種も日当たりと風通しの良い環境を好みますが、乾燥にはそこまで強くありません。

ティランジアは水切れを起こすと葉が閉じて丸まる性質がありますが、カクティコラは水やりが十分でも新しい葉以外は根本の方からくるんと閉じてきます。勘違いして水をあげすぎないよう注意しましょう。
トリコームについて

ティランジアは乾燥地帯適に応するために、強い日差しから身を守り、効率的に水分を吸収する「トリコーム」と呼ばれる白い毛のような鱗片を持ちます。このトリコームを多く持つ「銀葉種」と、湿度の高い森林に生息し、トリコームをあまり持たない「緑葉種」に分けられます。
カクティコラは、トリコームが発達した【銀葉種】のティランジアで、日差しに強い性質を持ちます。
カクティコラの美しい花

チランジア・カクティコラは薄紫色の立派な花苞を持ち、クリーム色の美しい花を咲かせます。
花は花序が完全に枯れてしまった段階で切り取ってしまって大丈夫です。
▼ 詳しくはこちらで解説
カクティコラの育て方
置き場所

室内で管理する場合は、カーテン越しの柔らかい光が入る窓辺にしましょう。日差しに強い品種とはいえ、最高気温が30度を超える夏場は葉焼けするので遮光が必要です。

※写真はティランジア・ハリシーです
特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
▼使用している遮光ネットはこちら
冬越し
冬場は基本的に室内管理になります。
一般的な冬越し・室内管理の方法こちら
水やり

カクティコラは水好きな品種です。4〜10月の生育期は週2回〜程度、真冬の休眠期は週1回以上たっぷりと滴るくらい水やりを行いましょう。風通しが確保できる明るい環境なら毎日水やりしても問題ありません。
暖かい季節は気孔の開く夕方以降に水やりするのが効果的と言われています。ただし冬場は株を冷やす恐れがあるため、昼間に水やりしましょう。

また、濡れたまま放っておくとすぐに蒸れて枯れてしまいます。室内で育てる場合は常に風が当たるように窓を開けておくか、サーキュレーターなどを使用しましょう。

カクティコラは葉の根本に水が溜まりやすい形状をしています。風通しの悪い室内管理の場合や、管理に自信のない方は水を切っておく方が無難です。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、より大きく育てたい、子株を増やしたい、豪華な開花を見たいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。

▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
▼その他のおすすめ書籍はこちらの記事で紹介
カクティコラが枯れる原因
カクティコラをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
『エアプランツは空気中の水分を吸収するから、水やりしなくていい』なんて事はありません。これは朝露が下りる原生地での話なんです。
葉がカラカラになって異様に軽くなり、葉先から茶色く枯れたりしてきたら水切れを疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しの悪さが原因かもしれません。
先述したようにティランジアはに、風通しが非常に大切。根本から黒く枯れてしまったら基部の蒸れ・腐れが原因です。水やり後3時間程度で乾くよう管理の見直しを行いましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
カクティコラの飾り方
ティランジアは直に置いても十分見栄えはしますが、何かに着生させるとより調子がいいです。
流木付け

※写真はティランジア・クントゼアナです
▼やり方はこちら
ワイヤーハンギング

ワイヤーでシンプルに吊るすだけでもおしゃれです。
使用したワイヤーはこちら
▼詳しいやり方はこちら
カクティコラの増やし方
カクティコラは“子株”から増やす

※写真はアエラントス・ニグラです
チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
カクティコラは開花後に子株を付けますが、普通に育てるとあまり数が出ません。子株の付きを良くするには、着生させて施肥を行いつつ高湿度で栽培するのがポイントです。
子株は、親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。
また、親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらい非常に早いスピードで成長します。
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、外さずにそのままクランプ(群生)にする楽しみ方もあります。
種から増やす

受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
最後に
カクティコラは手に入れやすい美花種なので、皆さんもぜひ育ててみてくださいね。
それではこの辺で。
▼エアプランツのいろんな飾り方まとめました
▼基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。