こんにちは、チラグラファー・愛好家の【wanchan(わんちゃん)】です。
この記事では最強普及種のチランジア【ベルゲリ】について解説します。
種名:ティランジア・ベルゲリ
英名:Tillandsia bergeri
科・属名:ブロメリア科・ティランジア属
亜属名:アノプロフィツム亜属
チランジア・ベルゲリの特徴
ベルゲリはアルゼンチン原産の有茎種のティランジアです。
耐暑性、耐寒性が高く非常に健強。特に寒さには非常に強く氷点下にも耐えるので、関東以西の温暖な地域では屋外越冬も可能です。
また、子株を吹きやすく、比較的短期間で大きなクランプに成長します。
アエラントスとそっくり
ベルゲリとして流通しているものの多くは『アエラントス』などとの自然交雑種である事が多いため、同定するには開花を確認するか、子株のサイクルで比較するしかありません。
本種の花は薄紫色で長くよじれたような三花弁をしていますが、アエラントスは濃いピンク花包に均整の取れた紫の三花弁です↓
またベルゲリの生育株が一年中子株を出すのに対して、アエラントスは開花しないと子株を出さないという違いがあります。
※この記事の単体のベルゲリの写真は全て、栽培品種のティランジア・ベルゲリ・カウレッセントフォーム【Tillandsia bergeri ‘Caulescent Form’】になります。基本種と比べると茎が長く太くなる品種です。ティランジア・ベルゲリ・マジョール【Tillandsia cauligera ‘Major’】とも呼ばれる。
ベルゲリは銀葉種
ティランジアは乾燥地帯適に応するために、強い日差しから身を守り、効率的に水分を吸収する「トリコーム」と呼ばれる白い毛のような鱗片を持ちます。このトリコームを多く持つ「銀葉種」と、湿度の高い環境に生息し、トリコームをあまり持たない「緑葉種」に分けられます。
ベルゲリはトリコームを多く持つ【銀葉種】のティランジアです。
ベルゲリの育て方
置き場所
室内で管理する場合は、なるべく明るく、風通しの良い窓辺に置きましょう。
※写真はティランジア・ハリシーです
秋から春にかけては直射日光で問題ありません。本種は日当たりが悪いと開花しにくいので、冬季にもしっかりと日光を当ててあげましょう。
ただ、暑さに強いとはいえ最高気温が30度を超える季節は葉焼けするので遮光が必要です。
特に室内から外に出す場合は、葉が強い光に慣れていないので徐々に慣らしてあげる必要があります。
▼使用している遮光ネットはこちら
冬越し
寒さには非常に強いので屋外での越冬も可能です。
ただ、雪が被ったり雨ざらしだと葉に痛みは出てしまうので、綺麗に育てたい方は11月〜3月くらいまでは室内に取り込みましょう。
一般的な冬越し・室内管理の方法こちら
水やり
4〜10月の生育期は週2〜3回程度、真冬の休眠期は週1〜2回たっぷりと滴るくらい水やりを行いましょう。
しっかりと乾く、明るい環境なら毎日水やりしても構いません。
肥料
基本的に肥料は必要ありませんが、ベルゲリは肥料を与えることでより早く、大きく育てる事ができます。
出来るだけ大きく育てたい、花付きをよくしたいという方は以下の液肥と活力剤を週1回程度与えるといいでしょう。(肥料や活力剤はいつもの水やりでしっかり洗い流してリセットするようにしてください。)
また暖かい季節は雨に当てるのも効果的です。
大まかな管理方法を画像にまとめてみました。
▼育て方の教科書・図鑑はこちら
ティランジア栽培のバイブルです。まだ持ってない方は、まずはこちらを入手する事をお勧めします。
ベルゲリが枯れる原因
ベルゲリをはじめとするティランジアが枯れる原因のほとんどは以下の2つです。
水切れによる枯れ
カラカラになって異様に軽くなり葉がUの字閉じてきたり、葉先から茶色く枯れたりしてきたら水切れを疑いましょう。
風通しの悪さによる蒸れ(根腐れ)
『水やりをまめにしているのに枯れてしまう』という方は、風通しの悪さと日照不足が原因の可能性が高いです。
先述したようにティランジアは、風通しが非常に大切。明るい環境で管理しつつ、水やり後2時間程度で乾くように風通しを意識しましょう。
特にクランプになるとは根本が蒸れやすいので注意が必要です。数ヶ月に一度は枯葉の除去を行いましょう。
▼そのほかの原因についてはこちらで解説
ベルゲリの飾り方
ティランジアは直に置いても十分見栄えはしますが、何かに着生させるとより調子がいいです。
流木付け
※写真はティランジア・クントゼアナです
こちらはオーソドックスな流木着生です。
▼やり方はこちら
ワイヤーハンギング
※写真はカクティコラです。
ワイヤーでシンプルに吊るすだけでもおしゃれです。
使用したワイヤーはこちら
▼詳しいやり方はこちら
ワイヤートレイでハンギング
ティランジアは、ワイヤートレイに乗せるだけでもおしゃれです。トレイは通気性の高いものを選びましょう。
▼詳しくはこちら
ベルゲリの増やし方
ベルゲリは“子株”から増やす
※写真はティランジア・アエラントスです
チランジアは基本的に子株を株分けして増やすのが一般的です。
ベルゲリは開花期に入る前から子株をよく付ける品種です。この子株は、親株の半分くらいになったら株分けOK(小さすぎると枯れる恐れがあるので注意)。
※写真はティランジア・アエラントスです
また、親株につけたままにしておけば、親から栄養をもらい非常に早いスピードで成長します。
▼株分けの詳しいやり方はこちら
また、ベルゲリは外さずにそのままクランプ(群生)にするのもおすすめです。
種から増やす
受粉させて種を作る方法もありますが、チランジアはほとんどの種で自家受粉(自分のおしべとめしべでの受粉)しにくい性質がある上、実生(みしょう)させて成熟するまでに5年はかかるのでお勧めしません。
それでも実生や交配をやりたい!という方はこちらで解説しています。
最後に
ベルゲリは手に入れやすく、育てやすい品種なのでティランジアの入門種にピッタリです。興味のある方はぜひお迎えしてみてくださいね。
それではこの辺で。
▼エアプランツのいろんな飾り方まとめました
▼基本的な育て方はこちら
▼分からない言葉はありませんでしたか?
ティランジアの専門用語、全部まとめました。